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2017.01.31

Made By IoT
改善を「つくる」場から、解決へ「つなぐ」場への転換
– 工場革新の着地点は何か –


2017年2月号
 

IoTとは「あらゆるモノがインターネットを通じてつながること」を指すが、これを単に“モノ同士が通信し合うこと”と捉えるのは間違いである。それによって実現する新たな製品やサービス、ビジネスモデルまで含めた概念を意味しているからだ。IoTで工場革新を実現しても、作ったモノが売れなければ話にならない。顧客のいかなる課題をどのように解決し、継続的に収益を上げていくか。このビジネスモデルをデザインしない限り、IoTは効率的に死蔵在庫と赤字を作り続ける仕組みになってしまう。

 
第4次産業革命とインダストリー4.0
 
まずIoTを語る上で、「第4次産業革命」(インダストリー4.0)に触れないわけにはいかない。大ざっぱに言えば、第1次が蒸気機関を動力源とした機械生産(英国)、第2次は電力と分業制による大量生産(米国)、第3次はコンピューターと制御システムによる自動生産(日本)、第4次がIoTによる協調生産(ドイツ)である。
 
「インダストリー4.0」とは、2011年11月にドイツ政府が提示した構想だ。設計と生産が、市場ニーズを踏まえた受発注データなどを双方向でやりとりし、変種変量生産(品種・数量が変動する製品に即応するモノづくり)の実現を目指す。未知の新技術ではなく、既存の技術を応用することが想定されている。
 
経済産業省製造産業局が2015年4月にまとめた資料(「IoTによるものづくりの変革」)によると、インダストリー4.0の生産システムは「十字架型」で説明できるという(【図表1】)。つまり設計→生産→販売までのデータ(横の流れ)と、マーケットニーズと生産プロセスのデータ(縦の流れ)をデジタル化することでつなぎ、多品種少量生産を進化させた“変種変量生産”に対応した柔軟かつ自立的な生産現場を創出するものである。
 
ドイツの狙いは効率生産による国内製造業の輸出競争力強化だが、もう1つは“ドイツ生産方式”の輸出だ。つまり“世界の工場のドイツ化”である。コスト競争優位が高い4.0仕様の生産システムが世界標準のプラットフォームになれば、FA(ファクトリーオートメーション)関連機器で強みを持つ日本メーカーが劣位に置かれ、将来的に「マザー工場」としての日本の立ち位置も揺らぎかねない。
 

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【図表1】「インダストリー4.0」の生産システム概念図

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