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【特集】

グループ経営システム

M&Aや分社化などを戦略的に進める企業が増える中、形成した企業グループの経営をどのように進めるかが大きな経営課題となっている。グループシナジーを発揮し、効果的なマネジメントシステムやガバナンスを構築するメソッドを提言する。
2021.08.02

ヒトとカネ、事業が動きやすい環境をつくる:コジマホールディングス(小島組)

 

あつぎこどもの森公園(神奈川県厚木市)

 

 

各事業会社が道のりを考え、行動することで成長する

 

 

ビジョンは同じでも道のりは1つではない

 

ホールディングスとしての意思決定の場は、各事業会社の経営トップが集まって毎月開催される「グループ経営会議」だ。事業承継や相続などの課題も少なくない同族経営だが、小島氏は「同族×グループ」経営の親和性の高さも実感している。

 

「同族以外の各社トップとも、本音で何でも話しています。信頼できる存在がいるのは心強いです。期待や評価などを明確にできるのも、グループ経営の魅力の1つではないでしょうか」(小島氏)

 

グループ経営会議のメンバーに小島組の新任取締役を増員したのにも理由がある。ホールディング戦略の執行役を担う自覚を高めてもらうと同時に、オープンな組織で「ガラス張り経営」の透明度を高めていくのが狙いだ。また、経営幹部だけでなく、社員との個人面談も大切にしている。

 

「会社の主役は、現場で働いている人たちです。社員とコミュニケーションをしっかりと取っていきたいし、働きやすい環境をつくり出すことが私の仕事。『いつでも私に話をしにきてほしい』と伝えています」(小島氏)

 

グループ内の関係性を深める中で、各事業会社の強みや企業風土の違いも、より強く肌で感じるようになったという。

 

それぞれが育んできた企業文化や社風、制度の『良いとこ取り』ができると気付きました。また、目指すグループビジョンは同じでも、そこに到達する道のりは1つではありません。各事業会社が自ら道のりを考え、行動を起こして事業に落とし込んでいく方が、各社の成長につながると感じます。

 

風通しの良さと130年の歴史。どちらも実感できる働きやすい環境で、社員をしっかりと支えるグループ経営を実現していきたいです。実現までに時間はかかると思いますが、現在進行形で課題を1つずつ片付けることで『伝統と革新』の理念を実践できますし、未来を自らの手でつくるワンチームの力も高めていけると考えています」(小島氏)

 

「適材適所」の人材育成と「良いとこ取り」の事業展開。その組み合わせには無限の可能性がある。シナジーや価値づくりは、2013年に国際協力機構(JICA)と連携して進出した海外事業のKOJIMAGUMI(CAMBODIA)の設立にとっても、良きロールモデルとなる。

 

「まずは日本で、目指すグループ経営の姿に近づけていきたいです。創業150周年までは私の代でやり遂げ、さらにその先へと歩み続けていけるように。これからが、本当の始まりです」(小島氏)

 

 

小島組 代表取締役社長 小島 正也氏

 

 

PROFILE

  • (株)コジマホールディングス
  • 所在地:神奈川県厚木市中町3-3-9 厚木アーバンプラザビル6F
  • 設立:2018年
  • 代表者:代表取締役社長CEO 小島 正伸
  • 売上高:102億円(グループ計、2020年9月期)
  • 従業員数:351名(グループ計、2020年9月期)

 

 

 

 

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