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【特集】

グループ経営システム

M&Aや分社化などを戦略的に進める企業が増える中、形成した企業グループの経営をどのように進めるかが大きな経営課題となっている。グループシナジーを発揮し、効果的なマネジメントシステムやガバナンスを構築するメソッドを提言する。
2021.08.02

ヒトとカネ、事業が動きやすい環境をつくる
コジマホールディングス(小島組)


2021年8月号

 

 

 

 

1892年の創業以来、「伝統と革新」を経営理念に掲げ多角化経営を推進し、地域とともに成長を遂げてきた小島組。ホールディング経営によるシナジーを発揮してプラスアルファの価値を生み出し、持続可能なグループ経営の実現を目指す。

 

 

一体感のあるワンチームを目指し、ホールディングス化を計画

 

 

街づくりから暮らしづくりへと多角化

 

大きくなるほど小さくなるものって、なんだ?ヒントは、枠組みにとらわれることなく、実体に合わせて適正な姿に変えていくこと。正解は「服」である。体が成長するほど窮屈になり、中身にふさわしいサイズやデザインに変えていく必要がある。それは、人も企業も同じだ。

 

1892年の創業から2022年で130周年を迎える総合建設業の小島組も、「グループ経営」という名の最適な服に着替え始めている。神奈川県厚木市で創業した小島組は、社会福祉事業を手掛ける敬和会、不動産開発事業のケッセル、ホテル&フィットネス事業のアーバン、ビル管理のプロミティ、プティティールを設立し、事業領域を拡大。地域密着型で「街づくり」から「暮らしづくり」へ多角化経営を推進し、地域社会とともに成長を遂げてきた。(【図表】)

 

「福祉事業では高齢化社会を見据え、厚木市第1号の特別養護老人ホームを始めました。ホテル&フィットネス事業も『地域の人が集まり楽しむ施設を』と考えたもの。地域のためになることを自然体で積み重ねてきた証しですし、結果として雇用を生み出すこともできました」

 

笑顔でそう語るのは、小島組の代表取締役社長である小島正也氏だ。2020年8月の小島氏の代表就任とともに、同社は事業会社7社で構成するコジマホールディングスのグループ経営を始動した。

 

「同族経営の中小企業として、これまで以上にがっちりとスクラムを組み、一体感のあるワンチームになれるよう計画しました。だから、なるべくホールディングス傘下の各事業会社を横並びの関係にしたいと考えています」(小島氏)

 

実は、同社は以前にもグループ経営を志したが、「ホールディングス→小島組(子会社)→他の事業会社(孫会社)」という三層構造だったため、グループコミュニケーションの醸成や税制面のメリットを生み出せなかった。仕切り直しを図るために2018年に設立した新ホールディングス体制は、事業会社を直轄子会社にする二層構造を採用。ホールディングスと資本関係がない社会福祉法人や他企業も、グループの一員と明確に位置付けた。

 

「プロミティはすでに新体制へ移っており、他社も順次移行する計画です。昔から『コジマグループ』と呼んでいたので、社員にとっても違和感が少なく、グループ経営を推進しやすいですね。一方で、各社の事業内容や給与体系、人事制度が異なる複雑さもあります。1つずつ丁寧に分析しながら知恵を絞り、創業130周年に向けてグループビジョン策定へとつなげていくところです」(小島氏)

 

 

【図表】コジマホールディングスの事業領域

出所:小島組提供資料よりタナベ経営作成

「地域から信頼される、地域のナンバーワン&オンリーワンのパートナー企業」を目指してきた小島組。新たなホールディング体制は、不変の理念を受け継ぎながら、さらにシナジーの発揮や価値創造がしやすい組織に変わろうとしている

 

 

 

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