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【特集】

ライフスタイルカンパニー

約27兆円の市場規模を持つライフスタイルビジネス(アパレル、 ビューティー、 雑貨、 ホーム、 スポーツ・アウトドア)は、いずれもマーケット縮小が予測されている。顧客との共創によって新たな「ライフスタイル価値」を生み出す企業のビジネスモデルに迫る。
2021.04.09

持続可能な社会に不可欠なシェアリングエコノミー
シェアリングエコノミー協会


2021年4月号

 

 

感染症の急激な拡大の中でも、新しい経済の動きが生まれている

 

 

既存の経済形態になかったメリットを生み出し、大きな広がりを見せているシェアリングサービス。車やアパレルなどモノのシェアから、個人が持つノウハウやスキルのシェアまで、多様な形へと進化し続けている。単独所有から共同利用へ、個々の生活を飛び越え、社会に不可欠なシステムとなりつつあるシェアリングエコノミー市場の現状と可能性を探る。

 

 

「民泊」で脚光を浴びたシェアリングエコノミー

 

2016年1月、日本で「民泊」が解禁された。「国家戦略特区」である東京都大田区の一般住宅の空き家が、宿泊所として提供され始めたのである。これが大きなきっかけとなり、「シェアリングエコノミー」は日本でも新たなビジネスモデルとして広く知られるようになった。

 

民泊の例からも分かるように、シェアリングエコノミーは「個人が保有している遊休資産の貸し出し(または売買)をインターネットで仲介するサービス」と定義される。遊休資産とは、空き家などの不動産だけを指すのではなく、服や雑貨などのモノの共有からスキルの提供まで幅広い分野が対象である。この遊休資産を効率的にマッチングするシェアリングエコノミーは、使われていない個人資産の活用を促すことにより、短期間で地域やコミュニティーを活性化させ、大きな経済効果を生み出す可能性を秘めている。

 

「シェアリングエコノミーの急速な成長は、インターネットやスマートフォン、タブレット端末の普及と技術の進化によるところが大きい。具体的には、無線通信の大容量化や高速化、GPS(全地球測位システム)精度の向上、本人認証や電子決済の進化などが挙げられます。GPSで個人の位置が把握できるので、「Uber」などの配車サービスが登場し、電子決済が容易になりました。サービスの利便性が大きく向上したためにユーザーも多くなったのでしょう」

 

そう説明するのは、シェアリングエコノミー協会代表理事の重松大輔氏だ。プラットフォーム上で貸し手と借り手、あるいは売り手と買い手が、仲介業者を介さず直接やり取りすることで、ユーザーはより低料金でモノやサービスを入手することが可能になった。また、提供する側は、保有しているだけだった所有物やスキルを貸すことで報酬を得る機会が増えるというメリットが生まれている。ITの普及により個人間の決済が容易になったこと、フルタイム勤務の空き時間でも小規模の仕事であれば参加できることも、サービス普及の追い風になっている。

 

スペースシェアビジネスを手掛けるスペースマーケット(東京都新宿区)の代表取締役社長でもある重松氏は、シェアリングエコノミー普及の理由としてもう1つ、ネット上の「レビュー・評価制度」を挙げた。この制度によって、個人である取引相手の信頼度や評判を見える化できたことが、普及の大きな原動力になっているという。

 

 

※産業の国際競争力の強化や国際的な経済活動の拠点形成の促進を目的とした「国家戦略特別区域法」によって指定される区域

 

 

シェアリングエコノミー(共有経済)の流れ

 

 

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