TCG REVIEW logo

100年先も一番に
選ばれる会社へ、「決断」を。
【特集】

ライフスタイルカンパニー

約27兆円の市場規模を持つライフスタイルビジネス(アパレル、 ビューティー、 雑貨、 ホーム、 スポーツ・アウトドア)は、いずれもマーケット縮小が予測されている。顧客との共創によって新たな「ライフスタイル価値」を生み出す企業のビジネスモデルに迫る。
2021.04.09

お客さまとの価値共創で「幸せづくり」を追求
和建設


2021年4月号

 

 

分譲マンション「BE WELL(ビ・ウェル)」は、設計から施工までを一貫して手掛ける和建設だからできるオーダーメード仕様

 

 

「住まいづくりは、幸せづくり」を理念に掲げ、分譲マンションおよび戸建て住宅の事業を手掛ける和建設。住宅市場が縮小する中で、新たな可能性を指し示している。

 

 

競争優位をもたらすフルオーダーのマンション

 

JR高知駅の近くに本社を置く住宅メーカーの和建設。主に高知県と岡山県において、分譲マンションおよび戸建て住宅を建築・販売する。全国の新設住宅着工戸数が漸減傾向にある中で業績を手堅く伸ばすとともに、ニーズの変化に機敏に対応して事業の幅を広げている地域密着型の企業だ。

 

その秘訣について、代表取締役社長の中澤陽一氏は「お客さまと共に暮らしと幸せをつくり上げていくビジネスモデルにある」と述べる。

 

同社の創業は1957年のこと。海軍兵学校に在籍していた中澤氏の父が、戦後に地元の高知市内に復員した際、一面焼け野原となった故郷の街を目の当たりにして、「人々の暮らしの基礎となる建物を建てよう」と一念発起して創業した。

 

父の代は公共事業や民間建築を請け負い、地場の建設会社として成長してきた。中澤氏が社長に就任してからは、事業の軸足を住宅事業にも広げ、分譲マンションや戸建て住宅などを手掛けてきた。

 

「1995年に岡山県内で当社初の分譲マンションを建てたのですが、当時は強力な同業他社が存在する中、ローコストだけで勝負した面があります。しかし、それでは当社の良さを発揮することができません。『うちの強みは何だろうか?』と考え抜いた末、設計と施工をワンストップで提供していたことから、ものづくりの『総合力』で勝負しようと決めたのです」(中澤氏)

 

もともと地域に密着していた同社には、家の建築を請け負う際、施主から間取りや仕様に関する要望を丁寧に聞き出す習慣があった。その企業DNAを基盤として、施主の目線で設計および施工を行う建築会社を追求したのである。同社は、この強みを生かした分譲マンション「BE WELL(ビ・ウェル)」シリーズを、2011年にフルオーダー型商品として提供を開始した。

 

一般的に、マンションビジネスは収益の最大化に向けて、間取りの共通化と大規模化を志向する。これに対して、和建設は真逆と言える差別化戦略を打ち出したのだ。

 

「専有部分の間取りやデザインはお客さまの希望を最大限取り入れることができます。また、一般的にはマンション管理のメリットの点から、戸数の規模を追求しがちですが、当社は違います。あくまでお客さまの目線で考えたマンションの提供に努めています」(中澤氏)

 

以来、お客さまと共に住まいをつくる同社独特の事業スタイルが根付き、お客さまにも浸透していった。現在、多くのお客さまが「フルオーダーのマンション」と知った上で購入を希望するという。

 

契約後は7~10回に及ぶ打ち合わせを重ね、お客さまのライフスタイルや人生設計などを引き出しながらじっくりと話し合う。

 

「住まいに対するお客さまのさまざまな思いが顕在化してきます。それを形にするのが私たちの仕事なのです」(中澤氏)

 

 

 

1 2 3
ライフスタイルカンパニー一覧へ特集一覧へ特集一覧へ

関連記事Related article

TCG REVIEW logo