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【特集】

ライフスタイルカンパニー

約27兆円の市場規模を持つライフスタイルビジネス(アパレル、 ビューティー、 雑貨、 ホーム、 スポーツ・アウトドア)は、いずれもマーケット縮小が予測されている。顧客との共創によって新たな「ライフスタイル価値」を生み出す企業のビジネスモデルに迫る。
2021.04.09

商品開発の鍵は40年続くモニター会議
トップ産業


2021年4月号

 

 

さらなる商品開発で食品分野の開拓を目指す

 

「爆発的な大ヒット商品より、長く愛される商品を提供したい。それが当社の考え方です。そうした商品を開発するには、モニターの生の声が欠かせません。加えて、モニター会議を進行するコーディネーターの存在が非常に重要です」(松岡氏)

 

現在のコーディネーターは、社歴30年ほどのベテラン社員。「会社の都合よりも、モニターの『欲しい』『困っている』という気持ちに寄り添える人が良いコーディネーターになる」と松岡氏は言う。

 

また、モニター会議は営業面でも多くのメリットをもたらしている。同社は主に生協を通して商品を販売しているが、単に注文の入った商品を卸すだけでなく、商品を掲載するカタログ誌面用の写真撮影からキャッチコピーの作成、レイアウトまで、全てを社内で手掛ける。その際、主婦モニターの生の声をキャッチコピーに使ったり、モニターが発見した便利な使い方を再現した広告写真に変更したりすることで、ヒット商品へと”昇格”するケースも珍しくない。

 

アイデア商品の販売ではなく、商品を通して快適な生活を提供すること。同社のビジネスはそう表現できる。この価値を実現する開発・販売の両方の過程に、モニター会議は大きく貢献しているのだ。

 

モニター会議のノウハウが蓄積された今、ビジネスモデルの選択肢として考えられるのは、川上への進出である。実際、小売りや商社がメーカー機能を持つ事例もあるが、松岡氏はそうした変化には否定的だ。

 

「モニター会議では、事業領域に関係なくさまざまな要望が出されます。それらに何とか応えようとする挑戦が、当社の商品カテゴリーや事業領域を広げてきました。しかし、メーカーになってしまうと、経営上どうしても挑戦の範囲を自ら制限せざるを得ません。重要なのは、モニターの思いに応えること。今は、商社であり続けたいと思っています」(松岡氏)

 

その言葉の通り、今後も企画提案型の商社として、アイデア商品の開発に注力していく考えだ。ただし、「分野は広げていきたい」と松岡氏。中でも、視野に入れているのが食品分野への進出だ。

 

グループ会社で食品を中心に扱う通販会社・優生活での販売を念頭に、「モニター会議を活用した商品開発に挑戦したい」と松岡氏は話す。また、海外についても、中国にモニターを活用した商品開発拠点の立ち上げ準備を進めている。「中国人社員も育っているので、コロナ禍が落ち着けばすぐに着手したい」と意気込みを語る。

 

コロナ禍で生活様式は大きく変わり、「家を快適にしたい」「家族と過ごす時間を大事にしたい」というニーズが膨らんでいる。トップ産業が目指すのは、暮らしを豊かにする「生活文化創造企業」。これからも消費者起点のものづくりを通して、皆が笑顔になるアイデア商品を届けていく。

 

 

トップ産業 代表取締役社長 松岡 康博氏

 

 

PROFILE

  • トップ産業(株)
  • 所在地:大阪府吹田市豊津町12-43 トップ産業ビル
  • 創業:1964年
  • 代表者:代表取締役社長 松岡 康博
  • 売上高:130億円(グループ計、2020年9月期)
  • 従業員数:200名(グループ計、2021年2月現在)
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