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【特集】

見える化×DX

コロナ禍による社会環境と価値観の変容で、デジタルツール活用は全企業の最重要課題となった。対面接触を減らしつつ業務効率を上げるために、また多様な人材が活躍できるように、デジタルの力で課題を「見える化」し、生産性向上へつなげた取り組みにフォーカスする。
2020.12.28

「価値共創」トヨコンイズムが導いた社内変革
トヨコン


2021年1月号

 

 

営業担当者を変えた小さな成功体験

 

MA化に伴い、トヨコンは顧客の名刺をデジタル登録する名刺管理ソフトウエア「Sansan」を導入。登録されているアドレスにメールやブログの記事を配信するための取り組みだが、営業の反発は大きかった。

 

「現状のやり方で成果を出し続け、経験もノウハウもある。各自の名刺ファイルに整理してあれば変える必要はないじゃないかとの声が多かったです」(浦部氏)

 

そこで、まずは浦部氏と同じように飛び込み営業の無駄をなくし生産性を上げたいと感じる若手営業担当者へアプローチを始めた。「楽になった」「助かる」と実感する小さな成功体験を積み重ねながら、一人ずつMAに前向きな存在へ変えていった。

 

さらに、属人化した顧客情報を全社で共有化できなければ新しい顧客との接点が増えないと営業部長に直談判し、「名刺ポイント制」を始動。役職は点数、企業規模は倍率で名刺をランク付けし、データ化した「点数×倍率」のポイント数を評価につなげる制度を作った。営業担当者のモチベーションは大きく変わり、顧客の購買担当者だけでなく、事業責任者や社長に会うための工夫を凝らす営業提案が増え、提案内容の品質向上にもつながった。

 

「自分の大事な顧客にメールやブログ記事を送られることに抵抗があったようです。でも、データ化して配信を始めたら、『メールもブログの記事も内容のレベルが高い!』と顧客に褒められた。そこで初めて、ちゃんと見て、知ってもらえたとMAの効果が実感できました」(明石氏)

 

それは顧客に「トヨコンが見える化」した証しであり、冒頭で紹介した問い合わせ数や成約率の急伸に結び付いている。

 

営業提案の生産性も成果も向上するMAによる変革と並行して、社内の業務改革も始まった。紙ベースの稟議・申請手続きにワークフローシステムを導入し、FAXはウェブシステム「e-受信FAXサービス」によって送受信データをデジタル化。スピード化とペーパーレスを実現した。管理部門の属人化した業務もデジタルツールで見える化し、文字通りチームワークに変えて「働き方改革」へつなげる取り組みだ。

 

「どちらも社員が『こうしたい!』と探し出し、発案してくれました。当社の企業規模では先進的な取り組みですし、自主自発ならどんどんやっていいよと言っています」と明石氏。自ら声を上げ行動を起こす風土の醸成が、同社のDXを推進させている。

 

 

 

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