TCG REVIEW logo

100年先も一番に
選ばれる会社へ、「決断」を。
【特集】

ポストコロナ時代の働き方

テレワークやジョブ型雇用など、働き方や雇用が変化し始めている。ポストコロナの「真の働き方改革」とは何か。企業の持続可能性や人が働くことの意味をあらためて探る。
2020.09.30

「100人100通りの働き方」を目指す
サイボウズ独自のハイブリッド型制度
サイボウズ


2020年10月号

 

 

社員が希望の給与を言いやすいように給与希望アプリを作成。自分の市場価値を客観的に分析することで主体性も養える

 

 

人が人を管理することを諦め
マネジメントを軽量化する

 

 

テレワークをメインにした働き方へシフト

 

全社員との給与交渉や多様化した働き方をマネジメントする手法について、青野氏はこう答えた。

 

「キントーンを活用することで負担を軽減しています。例えば、給与交渉は『給与希望アプリ』を作成し、給与額が決定したら関係者へ共有するまで全てオンラインで完結できるので、それほど煩雑な業務はありません」(青野氏)

 

さらにサイボウズは、全社を挙げて「マネジメントの軽量化」を打ち出している(同社は「人が人を管理することを諦める」と表現する)。マネジャーが部下を管理することをやめ、情報の徹底公開や社員間の「説明責任と質問責任」を果たすことで、マネジャーの仕事を軽減している。社員の多様な働き方を実現すればするほど、従来のマネジメントは通用しなくなる。今まではマネジャーしか知り得なかった情報もオープンにすることで、社員一人一人が自己マネジメントしやすい環境をつくろうとしているのだ。

 

同社は現在、大部分の社員がテレワークで働いている。社員アンケートを行ったところ、「今後も出社しない」と回答した社員が6割近くに及んだという。

 

「新型コロナウイルス感染拡大前のアンケートでは、出社を望む社員は8割ぐらいだったのが少数派になった。そうなるとテレワークをメインの働き方として考えなければいけません。当社では2010年ごろからテレワークを導入しており、ある程度は体制が整っています。ですが、今後はさらに100人100通りの働き方の実現に向け、新しい仕組みをつくることが必要になります。

 

例えば、朝早くから働きたいという人がいれば、夜型という人もいる。夜間勤務の場合は特別手当が必要なのかといった法律に関わることも含め、新しい枠組みが必要になります。また仕事内容によっては、社員ではなく業務委託で生産性が高まるケースもあるかもしれません」(青野氏)

 

オンライン上での社員の体調管理手法や、現地に行かずとも自社で講演会などを行える専用スタジオの開設など、あらゆる可能性を想定しながら制度の策定を進めることが必要になると青野氏は言う。サイボウズの働き方改革は、新たな局面に一歩踏み出している。

 

※社内制度や人間関係、誰かの発言などに対して意見があれば、小さなことでも質問・意見する責任があり、また、質問された側はそれに対して答える責任があるというサイボウズ独自の文化

 

 

サイボウズ 人事本部部長 青野 誠氏

 

 

PROFILE

  • サイボウズ(株)
  • 所在地:東京都中央区日本橋2-7-1 東京日本橋タワー27F
  • 設立:1997年
  • 代表者:代表取締役社長 青野 慶久
  • 売上高:134億円(連結、2019年12月期)
  • 従業員数:741名(連結、2019年12月現在)
1 2 3 4
ポストコロナ時代の働き方一覧へ特集一覧へ特集一覧へ

関連記事Related article

TCG REVIEW logo