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【特集】

インナーブランディング

自社の経営理念や商品価値を社内に浸透させ、従業員満足度を高めるインナーブランディングの重要性が高まっている。社員が自社のミッションを「自分事化」し、企業の「ありたい姿」に向かって力を発揮している事例から、社員の本気を引き出す仕組みをひもとく。
2020.08.18

「人間力」を高めるインナーブランディングシステムを構築
アクタ


2020年9月号

 

 

【図表1】アクタアカデミーの「ひとづくり」12年プラン

 

 

インナーブランディングは価値観教育の一環

 

体系的なインナーブランディングシステムの構築に当たって、柴田氏はまず部署が異なる社員6名によるブランディングプロジェクト(PJ)を立ち上げ、ブランドコンセプトの構築を行った。出来上がったコンセプトは、「もてなす想いをカタチに新たなシーンを演出します」。

 

このコンセプトを社内に浸透させるため、ブランディングPJはブランドブック(クレド)を作成し、全社員に配布した。現在は、「もてなす想い」とは何か、「新たなシーン」をどのように演出するかを検討するため、他社が経営する店舗をモデルに、営業担当者がブランディングの視点で提案する体験型研修も実施している。

 

また、働きがいを高める仕掛けとして、社員が笑顔で映る写真パネル「スマイルフォト」を社内各所に掲示。併せて、約30秒の自己紹介動画も社内公開した。

 

一方、人づくりへ中長期的に取り組むため、2018年に開校したのが企業内大学「アクタアカデミー」だ。

 

「今後はルーティン業務をAIに任せるなど、仕事の自動化がいっそう進むでしょう。そんな時代において、人が幸せを追求していくためには“人間力”が必要になってくる。この人間力の育成は、1年や2年でできるものではない。そう考え、長期的に取り組もうと決意しました」(柴田氏)

 

12年プランのアクタアカデミーが掲げる大テーマは「人間力」の醸成。中テーマは、前期4年が「主体性」、中期4年「関係性」、後期4年「統合性」と定め(【図表1】)、同社の社員一人一人が魅力的な人間になることを目指している。

 

前期は、やらされ感をなくし、仕事への主体的な姿勢を養う人づくり。中期は、チームワークを重視する組織人としての人づくり。後期は、それまで学んだことを生かして実践的に行動し、成功事例をつくり、互いを尊重し合う人づくりが目標だ。(【図表2】)

 

「社歴や経験は問わず、誰でも学ぶことができます。目的は社員の価値観の育成。これがインナーブランディングになり、ひいてはアウターブランディングになるのです」(柴田氏)。

 

自発的に学べ、「学びの見える化」も可能な環境を用意するために導入したのがeラーニングである。現在、1本7~8分の動画を約80本配信。内容は、柴田氏の講話や自社の歴史、ブランドコンセプトから、技術的なノウハウやリーダー教育など業務に関するもの、お茶の出し方、電話の受け方、食事のマナー、ゴルフレッスン、冠婚葬祭マナーまで多様である。

 

こうしたインナーブランディングの取り組みは、展示会やコーポレートサイトでのブランドコンセプトの発信などのアウターブランディングにもつなげている。

 

 

【図表2】Win-Winの関係を育む

 

 

 

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