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【特集】

サステナブルロジスティクス

なくてはならない基幹産業・物流業。働き手不足、業界特有の業務効率の悪さ、労働環境の悪化などが大きな課題となっている。持続可能な物流のため知恵を絞る企業に迫る。
2020.07.22

「再現できる」業務手順を
顧客が主体となってビジュアル化
スタディスト


2020年8月号

 

 

SOPが必要なのは「世界共通」

 

マーケティング調査を手掛けるアイディエーションが2020年に行った「マニュアル手順書ツールユーザー満足度調査」で、Teachme Bizは満足度・認知度・利用率で第1位となり3冠を独占した。2018年8月にはタイに現地法人を設立して海外進出も果たし、現地の導入先は50社超と、東南アジア全域へ市場を拡大する途上にある。

 

「人間がいる限り、SOPが必要なのは世界共通で、どこでも通用するはず。その仮説が実証されました。期待の大きさを実感しています」と鈴木氏は話す。

 

東南アジアは労働力が豊富だが離職率も高い。業務の標準化と短期間で効果の高い育成が求められるのは、日本と同じである。

 

将来は欧州や米国への進出も見据える鈴木氏。ただ、まずは世界中で新型コロナ第2波への備えが最大の課題だ。スタディストは新たに、通常より少ない投資で、SOPによる経営課題の解決を3カ月で見極めるPoC(概念実証)サービスを開始。BCP(事業継続計画)発動時の体制を構築したいが、いきなり大きな投資はできないと考える経営者に短期で成果を実証し、さらにその先へと自信を持って歩みを進めてもらうのが狙いだ。

 

今後は、システムベンダーや人材系サービスとのアライアンスなど、新たな展開を検討中である。

 

「テレワークは、言わば超多拠点展開です。オフィスも集中型から分散型へのシフトが加速しています。そんな中、安心して組織に溶け込み、業務を習得できる同サービスは、ES(従業員満足)はもちろん、働き方改革や資格・評価制度へとつながるでしょう」(鈴木氏)

 

SOPは生産性の向上だけにとどまらず、組織の活性化ももたらしてくれそうだ。

 

 

荷主の定期監査ではSOPが業務品質の確かな証しとして
評価されています

スタディスト 代表取締役 鈴木 悟史氏

 

 

 

Column

責任者選びで分かる、経営者の覚悟

「経営トップが旗を振って責任者を決め、ツールの導入だけで終わらずに、しっかりと使いこなすバックアップまでしてこそSOP作成はうまくいく」と鈴木氏は語る。責任者にはどんな人材が適任だろうか。

 

「若手ですね。変わること、新しいツールを使うことに前向きであることが大前提。また、一定レベルのICT知識と、トップの信用がある人でなければ、単なる進捗管理役になってしまいます」

 

そう話す鈴木氏もタイの現地法人トップに、右腕と頼む人材を投入した。また、入社オリエンテーションで必ず語るのが、ローマ帝国の逸話だ。文化も習慣も異なる民族が集まってできたローマが、マニュアルを使って宿営地の建設などのオペレーションを統一していたこと、これが領土を拡張し、長く繁栄する原動力になったという。

 

「事業を伸ばし組織も大きくして、多拠点に展開する〝大国〟を目指すならば、SOPの整備と運用に大切な資金や人材のリソースを投入する道を選ぶべきです。逆説的に言えば、そうしない経営者は、成長を諦めて小国のままでいいと決意したことになります」(鈴木氏)

PROFILE

  • (株)スタディスト
  • 所在地:東京都千代田区神田錦町1-6 住友商事錦町ビル9F
  • 設立:2010年
  • 代表者:代表取締役 鈴木 悟史
  • 従業員数:100名(2020年6月現在)
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