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【特集】

サステナブルロジスティクス

なくてはならない基幹産業・物流業。働き手不足、業界特有の業務効率の悪さ、労働環境の悪化などが大きな課題となっている。持続可能な物流のため知恵を絞る企業に迫る。
2020.07.31

物流事業者のBCP策定のポイントは
荷主との密接な連携
国土交通省


2020年8月号

 

 

リーマン・ショックや東日本大震災以上の影響を産業界に及ぼした新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)。あらためて物流業界のBCP(事業継続計画)の在り方を探った。

 

 

荷主と物流事業者の連携体制構築・強化までの流れ

 

 

荷主との連携が求められる物流事業者のBCP策定

 

度重なる大地震や毎年のように被害をもたらす集中豪雨・台風などの水害に、企業活動は大きな影響を受けてきた。そして今春のコロナ禍は、想定していなかった形で産業界に多大な影響を及ぼしている。自然災害や感染症のパンデミックなどは、突然、企業の継続を危うくする。非常時に備えるBCPが、以前にも増して重要になっているのは間違いない。

 

物流業界においてBCPに対する意識が高くなったのは2011年の東日本大震災後だった。東日本の物流網は寸断され、必要な物資が各地域に行き届かなくなる事態に陥ったことをきっかけに、物流業界のBCPに対する取り組み強化への機運は高まった。2010年度の物流事業者のBCP策定率は22.4%だったが、2017年度には50.1%まで増えている※1ことからも、意識の変化がよく分かる。

 

その際に重要な役割を果たしたのが、国土交通省の「荷主と物流事業者が連携したBCP策定のためのガイドライン」※2である。同ガイドラインは、BCP策定の流れを提示するとともに、事前の準備や発生後の措置などを分かりやすく取り上げている。

 

「ガイドラインの作成に当たってポイントを置いたのは、物流事業者のみでBCPを策定するのではなく、荷主といかに連携するかという点です。地震などの有事の際は、物流事業者単独で対応してもサプライチェーンはうまく機能しません。いかに荷主と物流事業者が意思疎通を図って対応できるかが重要なのです」

 

そう説明するのは、国土交通省の総合政策局参事官(物流産業)室物流産業適正化推進官の笠嶋七生氏だ。同ガイドラインは大規模地震災害を想定して策定されたものだが、豪雨災害や感染症のパンデミックなどの危機管理に応用できる項目もあり、BCP策定や有事の体制づくりに参考となるところは多い。

 

 

※1…内閣府「平成29年度 企業の事業継続及び防災の取組に関する実態調査」
※2…国土交通省「荷主と物流事業者が連携したBCP策定のためのガイドライン

 

 

 

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