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【特集】

現場の自動化

これまで機械を使った自動化と言えば、工場の生産ラインが中心だった。しかし、いまや建築現場、医療現場、物流現場など、さまざまな現場・職場で自動化が進められている。人の仕事の質をさらに高めてくれる自動化技術を追う。
2020.04.30

「or」(選択と集中)ではなく
「and」(追加と融合)で生まれる価値
O2グループ(オーツーグループ)


2020年5月号

 

 

「デジタル工場化」を支援
日本の製造業を変えていく

 

グループ各社が保有する技術やスキルを生かし、新しい価値を提供しているO2。それにより、IBUKIは従来の金型工場のイメージを大きく変化させ、新しいサービスを次々と生み出すことで幅広い業界から注目されるようになった。既存の金型メーカーと一線を画すイメージを定着させる――これは松本氏が狙っていたブランディング戦略の一つなのだという。

 

「一般的な“型屋”のイメージは、ものづくりが海外へ移行する中にあって、旧態依然とした仕組みで地盤沈下する業界と捉える向きも少なくありません。当然、若い人は働きたいと思わない。つまり、良い人材が集まらず、どんどんと衰退していく悪循環に陥ってしまいます。IBUKIはそんなイメージから脱却し、次々と新しいことへチャレンジしている会社というイメージに変えたかった。その目的はある程度達成したと思います。社員も増えましたし、何よりも社員の意識が大きく変化した。工場を視察したいというお話をいただくことが多く、外から見られることでさらに夢と志を持つようになったわけです」(松本氏)

 

現在、IBUKIは工場見学を有料化(5名10万円)しているが、それでも全国から見学の申し込みは絶えない。多くの人に見られることで工場内の5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)の水準が高まったほか、案内役を務める社員も資料を作成して自信にあふれた様子で流ちょうに説明するなど、プレゼンテーション能力が飛躍的に上がった。

 

さらに、同社初のBtoC(消費者向け)商品としてプラスチック製のビアグラスを開発。厚さがわずか0.8mm、なおかつ割れにくいという実用性の高さに加え、ガラスと遜色のない美しい仕上がりで話題を集めた。消費者の目に触れる機会がなく、ものづくりの黒子に徹してきた自社の製品が世に出ることで、自分の仕事に誇りを持つ社員が増えたという。

 

松本氏は今後、M&A(企業の合併・買収)やアライアンスによってO2グループの機能を進化させ、装置やソリューションのみならず工場全体のデジタル化を支援する「デジタルファクトリーサービス」の提供を目指している。そのために現在、レベニューシェアを推進中だ。デジタル革命という志が一致するパートナー企業と積極的に提携し、全国にネットワークを広げていきたい考えという。

 

※委託契約ではなくパートナーとして提携し、相互協力で得た利益をあらかじめ決めた比率で分配すること

 

 

 

O2 代表取締役CEO(IBUKI代表兼務) 松本 晋一氏

 

 

PROFILE

  • ㈱O2
  • 所在地:東京都港区港南1-6-34 品川イースト1F
  • 設立:2004年
  • 代表者:代表取締役CEO 松本 晋一
  • 社員数:45名(グループ全体181名、2020年3月1日現在)
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