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【特集】

現場の自動化

これまで機械を使った自動化と言えば、工場の生産ラインが中心だった。しかし、いまや建築現場、医療現場、物流現場など、さまざまな現場・職場で自動化が進められている。人の仕事の質をさらに高めてくれる自動化技術を追う。
2020.04.30

「or」(選択と集中)ではなく
「and」(追加と融合)で生まれる価値
O2グループ(オーツーグループ)


2020年5月号

 

 

(左上)IBUKIの加飾技術の一つ「立体ハニカム加工」/(右上)ガラス製にしか見えない、薄さ0.8mmの樹脂製ビアグラス/(左下)IBUKIの山形本社工場外観/(右下)5Sが徹底している工場内。全ての設備が白線より内側に置かれている

 

 

AIを活用した工具摩耗判定システム

 

AI活用は、金型の自動見積もり作成システムだけにとどまらない。2019年にはLIGHTzの技術を活用し、工具の摩耗をAIが判定するシステムも開発した。工作機械の工具の摩耗状態を判断するのは難しく、まだ使える工具を交換してしまうといった無駄が生じていたという。

 

この摩耗判定システムの仕組みは、熟練工が「交換が必要」だと判断した工具の摩耗状態を画像でデータベース化し、判定したい工具を撮影して使用できるか否かを統計解析ソフトなどで判断するというものだ。このシステムにより、IBUKIは従来の工具費を10~20%削減することに成功。また消耗度を検査する時間も75%削減できたという。こうした社内での成果を踏まえ、IBUKIはデータベース作成とコンサルティングを提供するサービスも始めた。

 

「これもハードだけを提供するのではなく、関連するソフトやサービスも提供する『and』の一環です。しかも、当社は自社内に製造現場を保有しているので、自分たちで実証実験ができる。私はこれを『自身人体実験』と呼んでいますが、こうしたエビデンスがあるので、お客さまへの説得力が生まれます。当社が実践するのは、ものづくりの現場の課題を解決するというソリューションビジネスですから、O2グループが持つ技術とノウハウを結集し、いろいろなサービスを提供したいと考えています」(松本氏)

 

さらに、ハード・ソフト・サービスを一体化した取り組みとして、機差(加工機種の違いによる誤差)や環境差(温度・湿度など環境条件による差)など、樹脂の成形条件の違いによるパラメーター(変数値)のチューニングサービスがある。一般的に、機器の個体差や温度・湿度の違いを考慮し、現場で技術者が成形機をチューニングするわけだが、この作業を人に代わってAIが自動で行うサービスも提供している。

 

 

 

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