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【特集】

現場の自動化

これまで機械を使った自動化と言えば、工場の生産ラインが中心だった。しかし、いまや建築現場、医療現場、物流現場など、さまざまな現場・職場で自動化が進められている。人の仕事の質をさらに高めてくれる自動化技術を追う。
2020.04.30

「or」(選択と集中)ではなく
「and」(追加と融合)で生まれる価値
O2グループ(オーツーグループ)


2020年5月号

 

 

AIによる作業の自動化が現場の常識を変える

 

IBUKIが実用化した射出成形中のモニタリングシステムと金型の自動見積もり作成システムは、まったく異なる役割を担うシステムだが、ある共通点がある。それは匠の技の「見える化」と「自動化」である。

 

いずれも従来はベテランの経験と勘に頼っていた領域で、経験の浅い社員がその役割を果たすことは難しかった。また少子化に伴う若手人材難に加え、ものづくり現場の海外移転が進み、国内金型業界はどんどん衰退するばかり。そんな課題を解決するため、ハード(IBUKI)・ソフト(LIGHTz)・サービス(O2)と複数のファンクション(機能)を有機的に結び付け、実現させたものだ。

 

モニタリングシステムは、金型にセンサーを埋め込み、成形中の樹脂や金型の状態を計測し、そのデータを顧客に提供することで生産性向上に役立てることができる。さらに出荷前の金型からセンシングデータを取得し、金型と一緒にチューニング(調整)に必要な情報として提供することで、顧客は予防保全や故障時の早期対処に役立てることもできる。一方の金型の自動見積もり作成は、自社内の課題から生まれたソリューションだ。

 

「金型の見積もりは、工場長などごく一部の熟練社員にしかできないため、非常に効率が悪かった。例えば、忌引休暇などで工事長が休むと他に誰も対応できない。すぐに対応できなければ、せっかくのビジネスチャンスを失うことになるわけです。しかし、多くの社員が見積もれる体制にしようとして、若手などに工場長のノウハウを教えていくと相当な手間とコストがかかります。そこでAIを活用し、過去の類似実績の検索・抽出システムを構築。さらにベテラン技能者からヒアリングし、その調査結果から職人的思考回路のネットワークを視覚化することで、若手社員でも見積書を作成できるようになりました」(松本氏)

 

 

 

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