大企業からベンチャー企業へ人材をレンタル移籍
他社での経験がゼロから1を生み出す
ローンディール
2020年4月号
ローンディールでは、もう一つ重要な勉強会を開催している。それが、レンタル移籍者を送り出した企業の管理職を対象とした勉強会である。移籍者はベンチャー企業での就業経験で「自分で考える力」「重要な決断をする胆力」「現状を突破する行動力」などを身に付けるわけだが、復職して移籍先で培った能力を発揮できるかというと、必ずしもそうではなかった。
ベンチャー企業ではスピード感をもって意思決定が行われていたが、復職した大企業では新しい試みが遅々として進まない。あるいは、新事業創出に向けた新しいアプローチを周囲が理解できず、職場の中で浮いた存在になるといったケースもあった。そんな事態をなくすため、移籍者の上長である管理職を対象にした勉強会を開催し、変革・創造に適したマネジメント手法を学んでもらっている。
「当社が目指している最終的なゴールは、社員の方のレンタル移籍をきっかけに、大企業の組織そのものが変容することです。大企業の優れたところはたくさんありますが、それに加えてイノベーションが起こりやすい風土に変えることが真の目的なのです」(後藤氏)
サービス開始からレンタル移籍者は大手企業33社、約78名を数えた(2020年2月現在)。すでに研修制度の一環として導入したり、複数の移籍者を送り出す大企業もある。今後、大企業で数多くのイノベーションが生まれることを期待したい。
最終的なゴールは、大企業の組織そのものが変容することです

ローンディール 最高執行責任者 後藤 幸起氏
PROFILE
- ㈱ローンディール
- 所在地:東京都港区北青山3-6-23 青山ダイハンビル7F
- 設立:2015年
- 代表者:代表取締役 原田 未来
- 従業員数:10名(2020年3月現在)