問題に立ち向かう品性ある女性を育む
梅花学園
2020年4月号
改革が功を奏し、梅花女子大学を巣立つ学生の就職率は99.8%(2019年度)。これが選ばれる理由の一つだ。産学連携でコラボした企業から、インターンシップへの参加を依頼されることが年々増えているという。また、小さな大学らしく就職支援も下位年次から教員と連携して進めている。
「就職活動を始める前から企業を調査研究するのは、学生にとって大きな経験となります。産学連携でさまざまな職種の人と出会って仕事や働き方を身近なものと感じ、自分の将来を考える機会を持っていることも就職につながっていると思います」(藤原氏)
誰かに進路を問われるよりも先に、自分自身で考える力が育っている、ということだ。
教育改革が進む中で、これからの日本の教育がどうなっていくのか、藤原氏に尋ねると、明快な答えがほほ笑みと一緒に返ってきた。
「AI(人工知能)の登場で、人間でなければできないことが問われ始めています。それは男女の性差を超えて、ダイバーシティーに通ずるもの。相手を認めた上で個性を生かす力、本質を見極める力、問題を解決していく力、そして本当の意味での自立やアイデンティティーの育成が、教育現場ではこれまで以上に大事になるでしょう。
それを理解するだけでなく、実践し続けるのがC&Eのあるべき姿です。全てをそこに集約してより深く突き詰め、専門店の梅花ブランドに磨きをかけて、この学園でしか学べないことをこれからも、進化させていきたいですね」(藤原氏)
学園そのものが実践力を高め、育ち続けること。それが、有為な人を育成する秘訣と言えるだろう。

梅花学園 常務理事 企画部長 藤原 美紀氏
Column
「コンシャス」が浸透する学び舎
「梅花高校・中学の生徒が研修旅行の記念撮影の際に『エレガンスに!』と言い合って、身だしなみや振る舞いを整えたというエピソードがあります」(藤原氏)。何げないエピソードから分かるように、梅花学園のスローガンである「Challenge & Elegance」は、学園で学ぶ女性たちの「ありたい姿」として意識され、浸透している。
一方、教える側はどうか。教職員には14項目からなる行動指針「BAIKA MIND」によって「あるべき姿」を示す。自らがC&Eのロールモデルとして学生・生徒・園児の模範となることを約束し、学園外へ発信している。この指針が、インナーブランディングの徹底にもつながっているという。指針の項目一つ一つはシンプルだが、真剣に実践しようとすると意外に簡単ではないと、藤原氏は語る。
「教育は生涯、その人の内側にしみついて離れないもの。その大切なものを育む場に立っている、ということです。梅花ブランドを、よりコンシャス(意識する姿)にしていくのは、学園のどんなシーンにおいても重要ですし、教職員が率先して研ぎ澄ましていかなければなりません。学園で学ぶ一人一人の、輝く将来を一緒に目指し続けるのが私たちの使命ですから」(藤原氏)
「一点突破、全面展開」との先人の訓えがあるように、小さくても鋭く磨き上げた切っ先が、突破口となる穴をうがつことは少なくない。それは「コンシャス」の浸透から始まっていく。
教職員の行動指針「BAIKA MIND」。未来ある学生・生徒・園児の育成に携わっている意識を強く持つため、学園内外に示し、発信している
PROFILE
- 学校法人 梅花学園
- 所在地:大阪府茨木市宿久庄2-19-5
- 創立:1878年
- 代表者:理事長 小坂 賢一郎