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【特集】

教え方×学び方改革

「学費ゼロ」「教員不在」「テスト不要」「少人数制大学」。こうした〝あり得ない学校〞やスクールがいま、日本で続々と誕生している。従来の教え方と学び方を大きく変える、最新の〝ガッコウ〞にアプローチする。
2020.03.31

問題に立ち向かう品性ある女性を育む
梅花学園


2020年4月号

 

 

 

 

「産学連携コラボ」による実践の学び

 

社会に適応し、貢献する力を持った人物へと学生を育てるための取り組みで注目を集めているのが、「Baika×企業」の産学連携コラボレーションプロジェクト(以降、コラボ)だ。

 

梅花女子大学には年間30件近いオファーが届き、2011年の開始以来、約200件の案件を取り扱う。最大の特徴は、コラボの主体が「教授や研究室」ではなく「学生」であること。

 

「少子化・人口減少の新時代を迎え、どんな新しい価値を生み出すかが日本経済の共通課題です。女性の感性に基づく問題解決力が、企業の技術と融合してイノベーションを起こす。そんな梅花女子大学ならではのコラボを行っています」(藤原氏)

 

JR大阪駅に隣接する、グランフロント大阪ナレッジキャピタルの産学連携拠点「The Lab.」に常設ブースを置き、メーカーやリテールチェーン、放送・情報サービス、鉄道会社など多岐にわたる企業とコラボ。大手印刷会社とのコラボで19世紀の貴重な蛇腹絵本をデジタル化して展覧会を開催したところ、「美しさの感性」が高く評され、2015年にはThe Lab.の「ナレッジイノベーションアワード」グランプリを受賞した。

 

また、老舗の梅加工食品メーカーとは、紀州産南高梅を豆乳つゆで味わう「梅なでしこ鍋」を開発。全国のリテールチェーンで発売し、学生が売り場で鍋に合う具材を提案するなど「商品プラスアルファの価値づくり」を実践した。

 

「若者があまり食べない、冬場に需要が落ちる、という梅干しの課題を解決しようと、学生がメーカーの方の思いを大切にし、食べたくなる食のシーンを考案しました。また、ロボット開発のコラボでは『完璧すぎない方が親近感がある』との学生の視点を基に、作り手の思いと使い手のニーズやシーズにギャップが少ないロボットのアイデアを提案しました」(藤原氏)

 

学生全員が卒業までに最低でも1回、産学連携コラボに参加する。企業は、魅みせ方や価値付けを変える感性からインスパイアを受け、学生は仕事の進め方やプレゼンテーションを経験して商品化で達成感を味わう。学園も、学生の家族や同窓生に発信して学びの成果を見える化し、話題性が高まる。企業と学生、学園がそれぞれに得難い価値を与え合う関係が生まれている。

 

「産学連携の活動を通して、社会が何を求めているのか、どんな課題を解決すべきか、学生自らが気付くのです。成功して採用されたら喜ぶ。失敗しても、成功するにはどうすべきだったかを考えることが実践的な学びになっています」(藤原氏)

 

 

 

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