問題に立ち向かう品性ある女性を育む
梅花学園
2020年4月号
「すべての女性が輝く社会づくり」を掲げ、2015年に「女性活躍推進法」が施行された。その140年以上前から、独自の教育によって豊かな教養と専門性を兼ね備えた女性を育成している学校がある。その原点と現在の姿とは。
仕事力ある、おしゃれな女性――。「女性活躍推進法」のはるか以前から、そんな人材を輩出してきたのが大阪・北摂の地に女子大学、高校・中学、幼稚園を構える梅花学園だ。
創立者である澤山保羅は日本人初の牧師。米国留学中、当時の日本では難しかった「女性が教育を受ける」ことに感銘を受けた。帰国後、「キリスト教精神に基づき、他者への愛と奉仕の精神を備える自立した女性を育成すること」を建学の精神に、1878年、大阪・土佐堀で梅花女学校を開校した。
「全ての人が女性から生まれる。女性の地位向上に向けた知育と徳育は、日本の将来と社会を豊かにする」。高い志を胸に、澤山は教会から資金を得るミッションスクールではなく、制約を受けない自由な教育を行う学校を目指し、教会信徒の寄付金集めに奔走した。また、家政や調理が多い女子教育とは一線を画し、体育や数学など男子教育と同じカリキュラムを組んだ。
「女性の自主・自立を目指す教育の根幹は、142年たっても変わりません。それをいまの時代に体現する言葉として掲げるのが『Challenge & Elegance』(以降、C&E)です」
そう語るのは、自身も中学から大学まで10年間、“梅花人”として学んだ常務理事の藤原美紀氏だ。冒頭の「仕事力」や「おしゃれ」は、業務遂行力やファッションセンスだけを指しているのではない。さまざまな問題に立ち向かい解決していくチャレンジ精神と、品性や思いやりがあるエレガントさを兼ね備えるという意味だ。