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【特集】

成長M&A

かつてM&Aといえば「乗っ取り」「身売り」など暗いイメージが付きまとったが、いまや多くの企業が持続的成長を図る手段として選択する時代になった。後継者難、本業の競争力低下、早期の新規事業開発など、一筋縄ではいかない経営課題を最短距離で解決したM&A事例をリポートする。
2019.12.27

中小企業のM&Aで廃業危機を救うプラットフォーム
TRANBI


2020年1月号

 

 

スタートアップ時に人材や資産を保有できる

 

TRANBIでのM&Aの在り方はさまざまだ。例えば、長野県のホテル経営者A氏は、高齢に伴い第三者承継をしようとメインバンクに相談したものの、「0円なら買い手は見つかるだろうが、手数料が2000万円は必要」と拒絶され、諦めかけた時に新聞記事でTRANBIを知った。

 

早速、登録をすると21社から問い合わせがあった。A氏はTRANBIから交渉代理人となる会計士の紹介を受け、最終的に愛知県の不動産会社へ8000万円で譲渡したという。

 

「このホテルは債務超過だったため、地元の金融機関も手を出さなかったのですが、買い手の不動産会社は新規事業として買収しました。新規事業としてゼロからホテル経営をする場合、スタッフの人材確保や運営方法の確立などに時間と資金が必要です。しかし、M&Aなら人材やノウハウをそのまま譲り受けられる上に、既存顧客もいるので広告費を削減できる。ホテルの有形無形の財産を引き継ぐことで、通常だと数億円はかかるところ、8000万円で新規事業をスタートできるというメリットがあったのです」(高橋氏)

 

他にも、家族経営をしている町工場の第三者承継では、17社の買い手候補の中で最も強い関心を示していた20歳代の若者と社長が面談で意気投合し、譲渡を決定した。

 

ソフトウエア会社が、システム開発・保守の技術支援サービス会社を4億円で購入したケースもある。こちらは人手不足のIT業界における人材獲得と、自社の既存事業とのシナジー(相乗効果)を狙ったM&Aで、オーナー社長以外の全従業員をそのまま継続雇用し、事業拡大を図っている。

 

このように、新分野への進出や自社とのシナジーを狙うM&Aのニーズは高い。また、大手企業からの「より効率的かつ迅速に大規模M&Aを実施したい」との要望に応えるべく、トランビは会員制で案件規模の大きなM&Aをマッチングさせるサービスも開始した。30億円以上の案件を専門に扱う「プライム30」、300億円以上の「プライム300」である。

 

「特に上場企業のニーズが高まっています。最近では、新しく飲食業に進出したい企業が、複数の店舗を持つ飲食チェーンを30億円で購入したケースがあります。二つの新サービスで、大手企業のニーズにも応えていきます」(高橋氏)

 

加えて、M&Aに必要な知識を伝えるサービスの強化を図り、事業の売買に不可欠な決算書の見方など「経営力」を高めるセミナーや学習システムも提供する計画だ。価値ある事業が一つでも多く承継されるよう、トランビは日本に「M&A文化」を根付かせる活動を続けていく。

 

 

トランビ 代表取締役社長 高橋 聡氏

トランビ 代表取締役社長 高橋 聡氏

 

 

PROFILE

  • ㈱トランビ
  • 所在地 : 東京都港区新橋5-14-4 新倉ビル6F
  • 設立 : 2016年
  • 代表者 : 代表取締役社長 高橋 聡
  • 従業員数 : 20名(2019年10月末現在)
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