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【特集】

成長M&A

かつてM&Aといえば「乗っ取り」「身売り」など暗いイメージが付きまとったが、いまや多くの企業が持続的成長を図る手段として選択する時代になった。後継者難、本業の競争力低下、早期の新規事業開発など、一筋縄ではいかない経営課題を最短距離で解決したM&A事例をリポートする。
2019.12.27

タクシー事業を成長させる方法は
M&A一択
第一交通産業


2020年1月号

 

“総合生活産業”として地域に根差し、継続発展を目指す

 

第一交通産業は4カ月に1度、全国から約20名の人材を本社に集め、45日間に及ぶ研修を実施。その修了者を、主任として現場に戻している。

 

「時間をかけて人材を育てていくのが当社のやり方です。買収先の優れた人材は、グループ本社に吸収することもありますね。M&Aは企業を成長させるための時間を買うことでもあります」

 

そう話す田中氏は、中堅・中小企業がM&Aに取り組む際のポイントについて、次のように続けた。

 

「地方の企業が地域に根差し、継続的に成長していくためには、事業の多角化を図らなければなりません。仕事をより好みせず、できる範囲のことを、時期に合わせて行うこと。やりたいこととできることは異なりますが、やりたいことは“目指すこと”にすればいいと思います。お金を出して規模を拡大するだけでは、誰もついてきませんからね」

 

そんな同社が大切にしていることは、“姿勢で見せること”。管理職者は朝早く営業所へ出向き、乗務員の点呼を行い、話をして交流を図る。

 

「タクシーサービスをより身近に、快適にするため、システム構築などのデジタル部分と、地域の利用者に寄り添っていくアナログの部分のどちらも大切にしたいと考えています。この両輪こそ、M&Aを行い、企業を存続させ、社会に貢献していくために欠かせないものです」(田中氏)

 

同社が見据えているのは、地方都市のコンパクトシティー※化だ。移動手段であるタクシー事業はどうあるべきか、他の事業とどう連携していくべきかを常に課題としている。

 

不動産事業による街づくりをはじめ、中国や韓国、ミャンマー、インドなど海外進出にも意欲的な第一交通産業。創業60周年となる今年(2020年)も、“地域密着の総合生活産業”として、国内外の多くの地域で人々の暮らしを支え続ける。

 

 

※ 都市の中心部に住宅や公共施設、商業施設などを集約し、徒歩や自転車で移動しやすい規模に市街地を収める都市づくり

 

 

 

M&Aは企業を成長させるための時間を買うことでもあります

第一交通産業 グループ本社 代表取締役社長 田中 亮一郎氏

PROFILE

  • 第一交通産業 ㈱
  • 所在地 : 福岡県北九州市小倉北区馬借2-6-8
  • 設立 : 1960年
  • 代表者 : 代表取締役社長 田中 亮一郎
  • 売上高 : 1061億7000万円(連結、2019年3月期)
  • 従業員数 : 約1万5000名(グループ計、2019年3月末現在)
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