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【特集】

ラーニングカルチャーの創造

常に学ぼうとする文化(ラーニングカルチャー)がある企業は、人材育成の投資効果が高く、好業績を維持しやすい。その文化はどのように形成されるのか、事例からひもとく。
2019.12.16

教育の「効果」「効率」「魅力」で
受講者と組織のニーズを満たす
熊本大学 教授システム学研究センター
大学院教授システム学専攻 教授
(センター長・専攻長)鈴木 克明 氏


2019年12月号

 

4段階評価モデルを活用して研修と経営課題を結び付ける

 

受講者の行動に変化をもたらす研修を行うために知っておきたいのが、米国の研究者、ドナルド・カークパトリックの「4段階評価モデル」である。これは教育を四つの評価レベルに分解し、各段階での評価を意識して取り組むことの重要性をモデル化したものだ。

 

4段階のうち、まず第1段階は「反応」で、受講後にアンケートなどを行い、受講者の満足度・反応を問う。第2段階が「学習」で、テストやロールプレーイングなど知識やスキルの習得度を評価する。第3段階は「行動」で、研修内容の活用度合いや行動がどう変化したのかを自己・他者評価する。第4段階は「結果」で、受講者が研修受講によって業績にどのように貢献できたのか(売り上げ向上や離職率の減少など)を評価することを指す。

 

「経営者や人材開発担当者が研修を計画する際は、逆算で計画を策定するとよいでしょう。つまり、4段階目の『結果』を設定することから始めるのです。売り上げや離職率、シェアなど具体的な目標となる業績を設定し、それを実現するためには、社員にどんな行動・パフォーマンスを求めるのかを考え、そのスキルを磨ける学習を組み立て、受講者が満足できる内容にします。そして研修実施後は、第1段階から順に評価を行い、どの程度、業績に反映されたのかを検証するのです」(鈴木氏)

 

この4段階評価モデルを活用すれば、研修が目標達成のための具体的な手段となり、「コスト」から「投資」へ変わると鈴木氏は指摘する。

 

 

出典:「 研修設計マニュアル ――人材育成のためのインストラクショナルデザイン」 (鈴木克明著、北大路書房、2015年)P.11を基にタナベ経営作成

出典:「 研修設計マニュアル ――人材育成のためのインストラクショナルデザイン」
(鈴木克明著、北大路書房、2015年)P.11を基にタナベ経営作成

 

 

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