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【特集】

デジタル×プロモーション

プロモーション(販売促進)手法のデジタルシフトが進んでいる。顧客の消費行動にも大きな影響を及ぼすまでになったデジタルプロモーションの最前線に迫る。
2019.09.30

攻め続ける大阪発のロングセラー
パイン流“バズマーケティング”
パイン

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2019年10月号

一つのつぶやきで状況が一変
ネットとメディアで大きな話題呼ぶ

公式ツイッターは無事に承認されたが、次の問題は誰がツイッターの「中の人」(担当者)になるか。そもそもツイッターを知っている社員がいなかった。そのため、提案者であるマッキーさんに白羽の矢が立った。

担当を命じられるとはまったく思っていなかったマッキーさんだったが、「責任の重さを感じながらも、『面白そう!』という気持ちの方が強かった」と当時を振り返る。スタート時のフォロワーは20名ほど。ひっそりと始まったが、発信する内容やタイミングを試行錯誤したり、「パインアメ」とつぶやいている人にリプライ(返信)を送って公式アカウントを紹介したりと、地道な活動を続けるうちにじわじわとフォロワーが増えていった。

この流れが突然変わったのは2012年11月28日。この日のつぶやきが、状況を一変させることになる。

「(…… きこえますか… きこえますか… みなさん… パインアメです… 私は今… みなさんの心に… 直接… 呼びかけています… パインアメは… 鳴るように作っていません… 吹いても鳴らないのです… )」

実は、業務で来客の対応をするマッキーさんは、「普段から『パインアメって鳴りますよね』という言葉をよく掛けられていた」と言う。残念ながら、パインアメは吹いても鳴らない。鳴るのは、同じ大阪市の菓子メーカー・コリスの「フエラムネ」である。

「形が似ているからか、勘違いされている方が多いという実感はありました。これはツイッターのネタにすると面白いと思い立ちました」

この実体験に、そのころツイッター上ではやっていた「きこえますか…」というフレーズを合わせて発信したところ、想像をはるかに超える反響が寄せられた。瞬く間にリツイート(RT)が広がり、1日で2万5000RTという記録を樹立したのだ。

「これをきっかけにフォロワー数が増えましたし、『パインアメを買いました!』というツイートもたくさんいただきました。また、メディアから取材に来ていただくほど話題になったことに、社内が非常に驚いていました」(マッキーさん)

何げない気付きから始まった“鳴らない事件”には、さらに思いがけない展開が待っていた。このツイートを見たコリスから声が掛かり、「フエラムネ パインアメ味」が商品化。“鳴るパインアメ”が消費者に喜ばれたのはもちろん、同社にとっても「ツイッター発のコラボレーション」という、貴重な経験となったのだ。

パインアメ公式ツイッター。“ 中の人”が「パインアメは吹いても鳴らない」と発表し、ネット上で話題となった

パインアメ公式ツイッター。“ 中の人”が「パインアメは吹いても鳴らない」と発表し、ネット上で話題となった

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