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【特集】

実行力

経営実態を具体的にわかるようにする「見える化」に取り組む企業は多い。だが、問題が見えるだけでは何の解決にもならない。それを解決へつなげる「実行力」が不可欠だ。「見える化」によって見えた問題を解決している企業の取り組みに迫る。
2019.08.30

「仕事を出したくなる」工場へ
スピード感持ち一点突破&横展開
富士精機


2019年9月号

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5Sと「見える化」の実践で無駄な在庫、要らない工具、邪魔な備品が減り、工場が機能的に。生産性が上がっただけでなく、「営業ができる工場」へと進化を果たした。

 

生き残りの鍵握る5Sと「見える化」

伝統工芸(金箔、漆器、友禅、陶磁器)の産地で知られ、現在も全国屈指の工業都市である石川県金沢市。同地に本社を置く部品加工メーカー・富士精機の主力製品は、「ブッシュ」と呼ばれる円筒形の軸受けだ。また変速装置(トランスミッション)などの産業機械に不可欠な高硬度の精密部品を生産する。主要取引先は県内の小松市を創業地とする建設機械大手のコマツだが、近年は他の産業機械・建設機械メーカーとも取引が増えつつある。

「ブッシュ、軸受けは動く機械なら必ず使われているものなので、新しい顧客へのアプローチにも力を入れています」。同社の取締役工場長で、営業の指揮も執る前川要氏は言う。売上高は一貫して右肩上がりを続けており、2019年6月期には過去最高額(12億5000万円)となった。前川氏が工場長に就任した6年前に比べ約1.5倍の伸びである。さらに3年前に立てた「月商1億円」の目標も達成した。

同社は、生産拠点を労務費が安い海外へ移し、価格競争で優位に立とうとする動きに同調しない。高付加価値で難しい、他社がやりたがらない分野にチャレンジすることで支持を得るのが基本方針だ。そのために欠かせないのが、5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)と「見える化」だった。

富士精機が製造する精密機械部品(ブッシュ、カラー・スリーブ、スペーサー)

富士精機が製造する精密機械部品(ブッシュ、カラー・スリーブ、スペーサー)

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