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【特集】

実行力

経営実態を具体的にわかるようにする「見える化」に取り組む企業は多い。だが、問題が見えるだけでは何の解決にもならない。それを解決へつなげる「実行力」が不可欠だ。「見える化」によって見えた問題を解決している企業の取り組みに迫る。
2019.08.30

働き方改革の決め手は「働く環境」の改善にあり
コクヨ


2019年9月号

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「働き方改革」が叫ばれ、多くの企業が残業削減などにチャレンジしている。そんな中、独自の視点から「働きやすい環境づくり」を実践するオフィス用品メーカー、コクヨの取り組みを追った。

 

「働きやすい環境」が働き方改革を促す

働き方改革によって、多くの企業で残業削減や育児休業の取得率向上などが進んでいる。こうした「制度」の他、グループウエアやチャット、テレビ会議システムなどの「ITインフラ」を活用する動きも活発だ。そんな中、オフィス用品メーカーのコクヨでは「働く環境」を加え、三つの視点から、働き方改革を行っている。

そんな考え方の背景には、過去に同社が行った調査結果がある。それによると、働き方改革に着手している企業は約半数の45%。しかし、そのうち改革に「効果あり」と答えた企業は26%で、全体のわずか約4分の1にとどまる。

さらに経営者と従業員に分けて行った調査では、興味深い結果が出た。「働き方改革に効果があった」と答えた割合は、経営者39%に対し、従業員はわずか19%。つまり、81%もの従業員が「効果なし、または悪化」と認識していることが分かった。

これらは、現場不在の働き方改革が進められている証左だと言えよう。実際、調査結果からは「『業務量は減らさず労働時間だけ削減』はあり得ない」「残業禁止はサービス残業、早朝休日出勤が増えるだけ」「育休・時短勤務者が増えたら、それ以外の人の負担が増えた」といった声が上がった。

この調査結果から、コクヨは制度やITインフラだけで働き方改革が成功することはないと捉え、自社の事業にも直結する「働く環境づくり」を推進することで、従業員の働き方改革を実践していった。

「当社はオフィス用品メーカーというイメージが強いかもしれませんが、以前から『働きやすいオフィスづくり』に向けたソリューションを提案してきました。このサービスは自社で長年取り組んできた経験に基づくノウハウでもあり、それを提供することで、お客さまの課題解決を実践しています」

そう語るのは、コクヨの販社支援グループGMで働き方改革提案プロモートディレクターの田島徹也氏だ。働き方改革が叫ばれる前から、コクヨでは働く環境を整えることに着眼し、生産性の向上に寄与してきたのである。

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