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【コンサル事例】

チームコンサルティング事例

クライアント企業とタナベコンサルティンググループのコンサルチームが取り組んだ経営改善の事例。施策と成果を紹介します。
コンサル事例2022.03.17

技研:「Change & Grow」(変化と成長)を実現した3つの取り組み

 

ポイント


1 「働き方改革プロジェクト」を通じ、残業時間が大幅減
2 全社横断プロジェクトが社員の意識・働き方の変革に直結
3 「会社の方向性」「人事評価基準」への理解度が深まる

 

 

お話を伺った人


技研 取締役副社長 宮本 秀一氏

 

 

 

 

 

 

「会社の未来」と「仕事の評価」の見える化が課題

 

—— 2016年に「Change & Grow」(変化と成長)をテーマとする中期ビジョンを策定されました。そのきっかけを教えてください。

 

宮本:当時、当社は経営幹部が営業を担っており、社員のほとんどが設計職のエンジニア集団でした。高い技術力と品質、柔軟でスピーディーな納期対応を強みに顧客からの信頼は得ておりましたが、組織力は決して強くありませんでした。

 

売上高は右肩上がりで、経常利益率10%超の高収益経営を続けていましたが、スポット型のビジネスモデルで、ベースとなる売上が安定しないのが課題でした。高いコスト意識を持って固定費の削減に取り組む一方、少数精鋭体制のため設計業務はいつも多忙で、残業が当たり前になっていました。そんなとき、タナベ経営から「社員のみなさんの声を聞いてみませんか?」と提案をいただきました。

 

—— 社員満足度を調査するタナベ経営「組織活力サーベイ」を2015年に実施されました。

 

宮本:社内の不満を目の当たりにし、当時の社長(向一雄氏)も、私たち経営幹部もとてもショックを受けました。愛情豊かな家族主義の経営で、賃金は毎年アップし隔年で海外社員旅行も実施していたので、不満などないだろう…と思っていましたから。

 

社内の不満を分析すると、1つ目は、忙しく時間だけが過ぎ去る日々の繰り返しで、会社の未来が見えないこと。2つ目は、仕事の何をどう評価されているかがわかりにくいことでした。

 

こうした社員の「不満」への気付きが、中期経営計画を策定するスタートラインになりました。「経営陣の思いやビジョンを、しっかりと『目に見える未来』にして伝えましょう」とタナベ経営にアドバイスを受け、策定に取り組みました。

 

中期ビジョンのテーマを「Change & Grow」(変化と成長)に定め、「自動搬送分野で世界一のブランドメーカー」を実現するビジョンを描きました。これから何をどうするかの事業計画、それを可能にする人事制度や組織体制づくり、そして社員のがんばりを評価する仕組みも、しっかりと明文化できました。

 

 

技術力と品質、柔軟でスピーディーな納期対応を強みに、顧客からの厚い信頼を得ている

 

 

「人を育てる」組織へチェンジ

 

—— 中期ビジョンでは数字目標とともに、採用・教育への「戦略的な先行投資」も行いました。

 

宮本:35~40億円だった売上高は50億円、経常利益率は10%と、高収益構造を安定的に維持する目標を掲げましたが、実現できる人を育てなければ、絵に描いた餅に終わります。そのため、新卒採用を開始して若手を育成し、世代間や組織的なバランスも良くして企業体質を強化しようと考えました。

 

また、誰にどんな教育を受けてもらうか、教育制度や人材開発体系も整備し、タナベ経営のセミナーや幹部候補生スクールも活用させていただきました。

 

—— 会議の実施や業績管理の方法も、「後回し」から「先回り」へと見直しました。

 

宮本:社員は顧客対応を最優先するマインドが強く、忙しいと誰も会議に参加できず、案件管理も「終わった後の結果管理」になっていました。これからどんな案件があって、どれほどの設計工数とコストがかかり、利益はどれだけ生み出せるのか。「みんなが参加する意思決定の場」に変えていくことで、進捗も利益も1年前倒しの先行管理ができるようになりました。

 

業績のリズムと意識が一変し、期初から「来期、どうするか?」を考える営業に変わって「当期の対策」が不要になり、コスト意識のさらなる向上にもつながっています。

 

—— 仕事の成果を評価するものさしも、新制度で「見える化」しました。

 

宮本:評価の軸に据えたのは、能力要件です。案件管理を任せられる責任者を一人前と位置づけ、設計エンジニアとしてのスキルだけでなく、案件推進メンバーに対する調整力も基準に定めました。

 

「暗黙の共通認識」だったことをあえて明文化し、さらにPJの規模や工数、品質なども加味して、成果をしっかりと評価できています。今後は一人ひとり業績への貢献度もポイント制にして、より明確にしていこうと考えています。

 

 

教育制度や人材開発体系を整備し、「人を育てる」組織へチェンジ

 

 

 

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