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コラム2022.06.27

仕入れコスト急上昇も、売価への転嫁率は44.3%にとどまる

 

ロシア・ウクライナ情勢や円安の急激な進行の影響により、原材料費の高騰が続いている。日銀「企業物価指数(2022年5月速報)」によると、国内企業物価指数(2020年平均=100)は112.8と15カ月連続で上昇し、前年同月比9.1%上昇となった。また、輸入物価指数(円ベース)は前年同月比で43.3%上昇。こちらも15カ月連続の上昇で、企業物価指数の急上昇につながっている。

 

企業の仕入れコスト上昇に伴い、価格転嫁の動きが広がっている半面、帝国データバンクの調査結果(有効回答企業数:全国1635社)によると、「10割(すべて価格転嫁できている)」との回答はわずか6.4%。一方、「全く価格転嫁できていない」企業は15.3%を占めた(【図表】)。

 

【図表】価格転嫁の状況

※帝国データバンク「企業の価格転嫁の動向アンケート」(2022年6月)よりタナベ経営作成

 

価格転嫁率(価格転嫁を考えている企業で、仕入れコスト上昇分に対する価格転嫁ができている割合)の平均は44.3%。これは、100円のコストアップに対して44.3円しか売価に転嫁できていないことを示す。つまり、残りの55.7円は自社負担しているのが現状ということだ。

 

業種別に価格転嫁率を見ると、「建材・家具、窯業・土石製品卸売」(64.5%)、「機械・器具販売」(55.4%)などは高い半面、「電気機械製造」(38.1%)、「飲食料品・飼料製造」(33.6%)、また原油価格の高騰の影響を受けているトラック運送などを含む「運輸・倉庫」(19.9%)の低さが目立った。

 

帝国データバンクは、「原材料費など仕入れコストの上昇はとどまる気配がみられず、今後さらなる価格転嫁が必要となる事態も想定される」としている。仕入れそのものが難しくなる事態もあり得るため、仕入れ先や外注先の与信管理が重要になるだろう。

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