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【コラム】

メンタルアップコミュニケーション 人が辞めない職場づくり

日本メンタルアップ支援機構代表理事の大野萌子氏による連載。職場におけるコミュニケーションの注意点や、ストレスマネジメントの方法など、健やかに毎日を過ごすヒントを紹介しています。
コラム2020.08.19

Vol.13 テレワーク運用に必要なこと(後編)


2020年9月号

 

 

時間管理と運動で健康に

 

まず、一つ目のオンオフの切り替えについてですが、手段の一つとして「在宅ルーティン」が挙げられます。毎日の通勤は心身への負担が大きいものの、実はメリットがあります。気持ちの切り替えに一役買っているのです。「終業後も仕事のことを常に考えている」「嫌なことがあると、ずっとそのことが頭を離れない」といった経験は、誰にでもあるでしょう。

 

この「気持ちを引きずること」が心に負荷を掛けます。完全には忘れられませんが、心の健康を保つためにはどこかで強制的に気持ちを切り替える時間を持つことが効果的です。その方法の一つが物理的に環境を変える行為です。つまり、通勤で家から会社へ、会社から家へ、自分の身を置く場所を変えるのが、気持ちの切り替えに効果的なのです。

 

しかし、テレワークだとそれが難しくなります。仕事から離れた「リラックスモード」と、気合の入った「仕事モード」を切り替えられません。気持ちの切り替えができないと、心身が軽度の「時差ボケ」のような状態になります。こうした状態に一度慣れてしまうと脱出するのに時間がかかり、最悪の場合、抜け出せなくなってしまいます。これを回避するために、在宅時の「1日のルーティン」をつくり、実践しましょう。

 

ポイントは、出社時と大きな変化が生じないスケジュールを組むところにあります。まずは起床時間や昼食の時間、始業と終業の時間など、重要な「時間の区切り」を設定し、それから、着替える、髪を整える、化粧をするなど、最低限のルールを決めると良いでしょう。きっちりし過ぎる必要はありませんが、自分なりにマインドセットできるようなルーティンをいくつか用意しておきましょう。

 

二つ目は、心身の不調についてです。家で仕事をしていると体を動かすことがほとんどなくなります。仕事をしている部屋からトイレへ移動するくらいで、1日に数十歩しか動かない人は珍しくないでしょう。実際に出社するときは、駅や社屋の階段を上り下りしたり、コピー機へプリントを取りに行ったり、何げない運動を繰り返しています。それらを合わせると、思いの外、結構な運動量になっています。

 

したがって、「頭は疲れているけれど、体は全く疲れていない」という状態に陥るテレワーカーは非常に多く、夜眠れないなど、睡眠に良くない影響を及ぼします。また、運動不足による腰痛や肩こり、肥満なども引き起こしやすく、長く続けば深刻になります。

 

ですから今まで以上に、業務の合間にストレッチをしたり、朝夕にウオーキングをしたりするなど、運動を積極的に生活へ取り入れましょう。体と心は連動していますので、体に不調が生じると、気持ちもめいりやすくなります。

 

また、パソコンを使用した仕事は胸を圧迫するような前傾姿勢を取り続けるので、深い呼吸がしづらくなります。呼吸が浅いと不安な気持ちになりやすいので、姿勢を正し、体のコンディションを整えることが大切です。

 

オフィスでは作業環境の管理は管理者の責任ですが、家での状況までを把握するのは難しく、個々人に任されがちです。しかし、状況をリサーチする、体を動かすよう声掛けを行うなどの配慮は必要でしょう。

 

 

 

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