TCG REVIEW logo

100年先も一番に
選ばれる会社へ、「決断」を。
【コラム】

メンタルアップコミュニケーション 人が辞めない職場づくり

日本メンタルアップ支援機構代表理事の大野萌子氏による連載。職場におけるコミュニケーションの注意点や、ストレスマネジメントの方法など、健やかに毎日を過ごすヒントを紹介しています。
コラム2020.02.28

Vol.7 あいまい表現を断ち、ハラスメント防止


2020年3月号

 

 

コミュニケーション不全を生むやりとり

 

日々カウンセリングを行う中で、「ハラスメントを受けた」と訴えてくる相談者は少なくありません。相談の中にはハラスメントではなく、コミュニケーション不全が原因の案件もあります。そういった案件でよくある事例を基に、職場でのコミュニケーションについて考えていきたいと思います。皆さんは次のやりとりをどのように感じられるでしょうか。

 

【事例】

上司「この書類、手の空いた時にやっておいて。お願い」

部下「はい」

(数日後)

上司「この前に頼んだ書類、できた?」

部下「すみません。忙しくて、まだ手を付けていません」

上司「え!?困るよ!!今日の午後の会議で使うのに、どうなっているんだ!?余裕を持って数日前に頼んだはずだぞ!」

 

この事例は、それぞれの立場で考えることによって感じ方が違うかもしれません。全く同じではなくとも、皆さんの職場で起こる日常のやりとりで、似たような出来事に遭遇したことがある方もいらっしゃるでしょう。

 

まず、上司の立場からすると「同じ職場で同じ仕事に就いているのだから、書類を見ればいつ必要なのか分かるはず」と認識し、「詳細を言わなくても分かるだろう」という前提で指示を出すことが多く見られます。その上で、部下が忙しそうにしているので「手の空いた時でいいよ」とねぎらうつもりで声を掛け、ハラスメントどころか優しく指示を出していると思っていることが少なくありません。

 

一方、部下は「手の空いた時」というフレーズをそのままうのみにし、確認もせず受け取ったままにしてしまうのです。仕事を受け取ったまま何もしないのは、職務怠慢とも言えます。少なくとも、期日や内容の確認をすることが必要ですし、それもできないほどの忙しさなら、自分の状況を上司に伝え、場合によっては他の社員に変わってもらうことも必要でしょう。

 

要するに、互いに「具体的なやりとり」ができておらず、日本人にありがちな「察する」文化の中で、何となくやりとりをしてしまっていることが原因なのです。このようなやりとりが繰り返されれば、部下は上司から「使えない部下」とレッテルを張られてしまうことにもなりかねませんし、部下側からは「ハラスメント上司」と認識されるわけです。そうなると関係性の悪化は否めません。

 

 

 

1 2
メンタルアップコミュニケーション 人が辞めない職場づくり一覧へコラム一覧へ

関連記事Related article

TCG REVIEW logo