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マーケット・スタッツ

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2017.05.31

特集1:働き方改革

2017年6月号

 

 

「副業解禁」で効果あり
社員のモチベーション・定着率がアップ

 

政府の働き方改革推進が追い風となり、副業・兼業解禁の動きが広がってきた。「本業がおろそかになるじゃないか!」と、一昔前ならタブー視されてきた副業・兼業だが、政府が「原則容認」へ方針転換したことを受け、大手企業を中心に解禁する方向へ徐々に変わり始めている。

 

帝国データバンクの調べによると、従業員の副業・兼業を認めることで「定着率が向上した」「従業員のモチベーションが高まった」「従業員のスキルが向上した」「多様な人材の活躍が推進できた」「継続雇用が増加した」といった効果が出ているという。(【図表】)

 

企業が副業・兼業を認めたきっかけは「給与カットの際にやむを得ず実施」「従業員が農業に従事する必要がある」とさまざま。しかし、副業・兼業を認めた結果、特に従業員の労働意欲や人材確保・定着の面で効果的と捉えているようだ。

 

従来なら収入アップのために仕事を掛け持ちする人が多かったが、今ではキャリアアップや社会貢献のためにする人が多い。リクルートキャリアの調査によると、副業などの社外活動に参加する目的には「キャリアチェンジの機会探索」「新規の経験・人脈獲得」「社会貢献」「副収入」などがある。本業に取り組む一方、社外活動で新規の人脈や経験、学びを得て、「社内外での活躍」「転職」への自信を深めていくのだ。

 

これからの時代、「うちで働くか、転職か」という二者択一で考えるのではなく、自社だけにフルコミットせずとも部分的に共感し、能力を発揮してくれる仲間を増やす方が、多様で意欲的な人材の獲得・定着につながるのではないだろうか。

 

 

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