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マーケット・スタッツ

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2017.04.27

特集1:JAPANブランド

2017年5月号

 

 

現地のマネジメント人材育成が課題
グローバルな人事基準・制度の確立がカギ

 

日本企業のグローバル化が進む中、現地人材、特にトップや管理職クラスといったマネジメント層の育成は、依然として大きな課題になっている。

 

日本在外企業協会のアンケートによると、海外現地法人における日本人社長比率は51%。海外現地法人社長の約半分は日本人である。

 

地域別に見ると、その他アジア(68%)、中国(67%)、中南米(55%)の順に日本人社長比率が高く、これらの地域で現地のマネジメント人材の育成が進んでいないことが分かる。

 

会員企業にグローバル経営を進展させるための経営課題を聞いたところ、「ローカル社員の育成」(73%)、「グローバルな人事・処遇制度の確立」(51%)、「本社とのコミュニケーション」(43%)、「経営理念の共有化」(26%)などの回答が多数。人材育成や人事・処遇制度の面で多くの企業が悩みを抱えている。

 

また、外国籍社長の起用に関して難しい点を尋ねると、「本社とのコミュニケーションが難しい」(55%)、「社内に優秀な外国籍人材がまだ育成されていない」(35%)、「自社の経営理念の共有が難しい」(25%)といった回答が続く。本社との連携、人材の育成と獲得、理念の浸透が高い壁となっている。(【図表】)

 

しかし、現地人社長の起用により現地社会へ深く入り込むことができれば、現地従業員のモチベーションアップや、優秀な人材の獲得につながる。こうした視点からも現地人材の育成、特に社長をはじめとする幹部への登用は欠かせない。

 

一方、実現のための課題も浮き彫りとなっている。「海外の外国人経営幹部のために、共通のグローバル人事基準や制度を導入しているか?」という問いに対し、「特になし」と回答した企業が断トツ(51%)。評価、報酬、福利厚生など処遇の設計をはじめ、グローバル人事機能をいかに構築できるかが、現地人材の育成や活躍につながる鍵となるだろう。

 

 

【図表】 外国籍社長の起用に関して難しい点(複数回答)

 

 

 

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