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マーケット・スタッツ

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2015.12.28

特集1:ものづくりの復権

電子看板市場規模、2020年に2717億円(2014年比2.6倍)
 
東京オリンピック、インバウンド需要で活況
 
富士キメラ総研の調査結果によると、現在、デジタルサイネージ(電子看板)の需要が高まっており、国内市場規模が2020年に2.6倍(2014年比)まで拡大するという。(【図表2】参照)
 
デジタルサイネージは、主に広告・販促・インフォメーションなどの用途で使われる、屋外や店頭に設置された映像表示装置。従来は交通広告や大型商業施設などで採用されることが多かったが、近年はシステムの低価格化が進み、小規模な小売チェーンや個人経営店にも設置されるケースが増加している。これに伴い媒体価値も高まっており、広告代理店やコンテンツ制作事業者による新規参入も増えている。
 
同社によると、2014年の国内市場規模は前年比16.5%増の1054億円。2020年には、2717億円まで拡大する見通しだ。2020年時点の市場規模の内訳は、「システム販売/構築」が823億円(2014年比51.3%増)、「コンテンツ制作/配信サービス」が394億円(同2.1倍)、「デジタルサイネージ広告」が1500億円(4.7倍)となっている。
 
この市場拡大を後押しするとみられているのが、2020年に開催される東京オリンピック。競技場や交通機関、官公庁の案内板などインバウンド(外国人旅行者)対応の大規模な需要が見込まれるほか、商業施設や特設会場でのパブリックビューイング導入に伴う大型スクリーン需要の増加も期待されるという。
 
特に交通機関では、都市部や地方都市の主要駅構内で既存の看板やポスターからの移行が進んでいるほか、鉄道車両も広告用モニターとして設置するケースが増えている。今後は東京オリンピックに向け主要ターミナル駅や空港、高速道路サービスエリア、バス・タクシー車両などで導入の動きが広がると予想される。
 
また、販促用途を中心とした小売店・外食店での導入増や、医療機関・金融機関・大学での更新需要が見込まれるほか、一般企業でもショールームなどの潜在需要が大きいとみられている。例えば、商店街や繁華街の建物壁面に設置して広告を流す、または官公庁・自治体の行政情報や防犯・防災、マナー啓発などインフォメーション需要、災害時に避難指示やニュース放映を行う公共表示システムとして注目が集まっている。
 
同社は大型モニターとデジタルテレビの大幅な需要増加を見込んでおり、2020年の市場規模をそれぞれ181億円(2014年比66.1%増)、83億円(同62.7%増)に拡大すると予想。またテレビのHDMI端子に接続し、デジタルサイネージのコンテンツを配信できるスティック型STB(セットトップボックス)も、2014年の0.5億円から2020年には4億円と8倍に増加すると予測している。
 
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