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【コラム】

21世紀のラグジュアリー論 イノベーションの新しい地平

ミラノ在住のビジネスプランナー安西洋之氏による連載。テクノロジーだけではなく、歴史や文学、地理、哲学、倫理が主導する21世紀の「新しいラグジュアリー」について考察しています。
コラム2020.09.30

Vol.12 ラグジュアリービジネスは文化ビジネス


2020年10月号

 

 

ラグジュアリーマネジメントの普及

 

ボッコーニ大学は、規定のラグジュアリーマネジメントコースだけではなく、さまざまな団体の要望に合わせて特別プログラムを提供するサービスも行っている。

 

企業を例に挙げてみよう。グローバルレベルの日用品大手企業がラグジュアリー領域の企業を買収したとする。しかし、大量生産型のビジネスに特化してきたため、ラグジュアリーレベルの商品企画のノウハウが親会社にない。こうした課題を把握すると同学はその弱みをサポートできるような学習プログラムを、企業と一緒に組み立てるところからスタートする。

 

期間の例としては、10日間のフルタイムでおよそ40種類程度のレッスン(1日当たり4レッスン)をリアルで実施し、オンラインでの演習を組み合わせる。

 

企業以外では、MBAコースを設置している中国・北米・英国の大学に、ラグジュアリーマネジメントの特注プログラムを提供する場合もある。学生たちはミラノに1週間滞在して集中講義を受ける。また、外国の財団などから、ラグジュアリーをテーマにしたセミナー企画を委託されることもある。

 

これらの例から、ラグジュアリーマネジメントが知的財産として活用される需要が十分にあることが見てとれる。これは同時に、欧州にある「考え方」が欧州外に普及することを意味する。

 

つまり、決して欧州の上から目線ではないが、欧州で発達した「自己の地域文化によって立つビジネス」のアプローチが、欧州以外の文化圏でも応用されることになる。こうしたケースが今後増えていくと予想できるのである。

 

中国やインドで誕生するビジネスが他の文化圏でも通用し、ラグジュアリーであると評価される可能性がある。もちろん、それらのビジネスは中国やインド独自のやり方を開発する(あるいは、すでにしている)。それも徹底的に欧州のラグジュアリービジネスの手法をマスターした上で、開発を行うのだ。

 

 

 

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