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【コラム】

21世紀のラグジュアリー論 イノベーションの新しい地平

ミラノ在住のビジネスプランナー安西洋之氏による連載。テクノロジーだけではなく、歴史や文学、地理、哲学、倫理が主導する21世紀の「新しいラグジュアリー」について考察しています。
コラム2020.04.30

Vol.7 職人の手の力に価値を見いだす


2020年5月号

 

 

イタリアには、人の手で作られるものを重視するイタリアの文化を守る財団がある。ラグジュアリーを特徴付ける「唯一無二のもの」を作るには、人の手が欠かせないからだ。同財団ディレクターへのインタビューから、中小企業が練るべき戦略について考えたい。

 

 

技術・文化を維持し普及する財団

 

ミラノの中心地に、イタリアの職人の文化と技術を守るコローニ伝統工芸財団(Fondazione Cologni dei Mestieri d’ Arte)がある。1995年に設立された非営利団体で、格式あるビルの4階に事務所を構える。

 

同財団の目的はアルティジャーノ(イタリア文脈の職人)の仕事の再評価を促進することだ。特に若い世代に、絶滅の危機にひんしている技術へ関心を持ってもらうことを狙いとしている。日本で聞き慣れた表現を使うなら「匠の文化と技術の維持・普及を行う財団」になろう。

 

同財団はアルティジャーノの技術・文化を紹介する雑誌や書籍の刊行、カンファレンスや展示会の企画・運営を行う。また、大学と提携し、授業への協力、学術研究のサポートも行っている。

 

ラグジュアリーの新しい意味を論じる本連載で、なぜこの財団を紹介するのか?それはラグジュアリーを特徴付ける「唯一無二のもの」を作るには、人の手が欠かせないからである。このことを知れば、間口が狭くとも参入障壁は決して高くないことに気付くはずだ。ラグジュアリーのビジネスは手の届かないものではない。中小企業こそが戦略を練るべき道がここにある。

 

 

 

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