Vol.25 町工場の力を生かす
北村 森
2017年10月号
あと2年に迫る
ラグビーワールドカップ(以降、W杯)の日本開催まであと2年です。2019年の9月に開幕し、全国12都市で戦いが繰り広げられる予定。日本代表チームも出場します。
日本のラグビー界にとって、これはとても大きな話であるのはもちろん、それぞれの開催都市にしても重要なプロジェクトです。
開催都市の1つである東大阪市は、国内ラグビーの聖地とも称される花園ラグビー場を有する地。今回は、W杯まで2年を切った段階で、この東大阪を舞台に立ち上がった事業についてご紹介しましょう。
その事業とは「RE:MEMBERプロジェクト」。この名称、すでに別のところで耳にされた方もいらっしゃるかと思います。
チケットぴあで知られる、あの「ぴあ」が声掛け役となり、これまでにいくつもの案件を実現している「廃材再生プロジェクト」なんです。歴史を刻んできた建造物を解体する際に生まれる廃材を、商品として再生し、メモリアルグッズとして販売するという事業。これまでの事例には、旧国立競技場、横浜アリーナ、そしてホテルオークラ東京の旧本館などがあります。
いずれも、その取り組みが話題となり、反響を呼んでいます。ファンにとっては、思い出深い施設の備品を、自分のものにできるわけですからね。
そして今回、ぴあが注目したのが、花園ラグビー場だったわけです。ラグビーW杯に向け、このラグビー場は大幅改修に入りました。スタンドの観客席を張り替えたり、ロッカールームに手を入れたりしますから、当然、たくさんの廃材が出ます。しかも、ラグビーの名勝負を刻んできた大舞台。多くのラグビー好きにとって、廃材をもとに作られる再生商品が販売されるとなれば、気持ちが揺さぶられることは間違いありません。