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【コラム】

旗を掲げる! 地方企業の商機

「日経トレンディ」元編集長で商品ジャーナリストの北村森氏が、地方企業のヒット商品や、自治体の取り組みなどをご紹介します。
コラム2017.06.30

Vol.22 「独自性」とは何か?
北村 森

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2017年7月号

発送を待つばかりの、花はな よし由『そのままブーケ』。徳島の本店から、全国の消費者へ送られている。3540円(税込み)からという手頃な価格も魅力ながら、この商品が売れている背景を探っていくと、面白い答えが炙あぶり出された。なお、花由は、楽天市場で4年連続、花部門の「ショップ・オブ・ザ・イヤー」を獲得している http://www.hana-yoshi.net/

発送を待つばかりの、花由(はなよし)『そのままブーケ』。徳島の本店から、全国の消費者へ送られている。3540円(税込み)からという手頃な価格も魅力ながら、この商品が売れている背景を探っていくと、面白い答えが炙あぶり出された。なお、花由は、楽天市場で4年連続、花部門の「ショップ・オブ・ザ・イヤー」を獲得している
http://www.hana-yoshi.net/

成熟商品での差別化

「ライバルの他社にはない特徴を持った商品を開発せよ」とは、どんな業界の中にいても聞かれるセリフでしょう。

とはいえ、そんな商品が簡単に出来上がるのなら、苦労はしませんよね。競合する各社は商品作りでしのぎを削り続けているわけですし、場合によっては、異業種企業がびっくりするような商品を引っ提げて参入してくることだってあります。

とりわけ、成熟商品とされる分野では、商品の差別化は至難の業といえるかもしれません。技術的にも売り方の面でも、やれることは全てやった、と考えている企業の方は少なくないはず。

で、今回取材してきた商品はというと、花束なんです。花の業界は大変ですよ。まず、市場は縮小傾向にあるといわれています。さらに、業界の大手も中小企業も、ネット通販に乗り出しているケースが多い。つまり、ちょっと乱暴に言えば、全国規模で展開する有名な企業と、地場に根付く企業とが、ある意味、同じ土俵で戦うという場面が出てくるわけです。地方企業がネット通販に乗り出したなら、それこそ逃げ場のない大舞台の上に晒されてしまいます。

しかも、花束をネット通販しようとなると、もう1つ難しい話が出てきます。花束は普通、買う人と実際に手にする人が異なる商品です。ネット通販で花束を購入して、ネットショップから直接相手に送ってもらう場合、購入者はその実物を確認できないまま、ということになりますね。大切な人に贈る花束となれば、それは結構なリスクを伴うと言っていい。ちゃんとした花束を作って送り届けてくれるかは、花屋の実力と姿勢次第なわけです。

すなわち、花束をネットで売ろうと考えたなら、二重の意味で、困難が待ち受けているということ。

こうして厳しい条件が重なる中、とても興味深い事例があります。

花由という、徳島と香川に実店舗を展開する中堅どころの花屋が、ネットで販売している花束。その商品名は『そのままブーケ』といいます。

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