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【コラム】

旗を掲げる! 地方企業の商機

「日経トレンディ」元編集長で商品ジャーナリストの北村森氏が、地方企業のヒット商品や、自治体の取り組みなどをご紹介します。
コラム2015.09.28

vol.1 私が郷里で手がけていること
北村 森

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2015年10月号

宝物は何か?
理事長からの依頼は一つでした。「総曲輪通りには、培われてきた文化がある。これを10年後、20 年後につなげる策を一緒に考えてほしい」
月に1 回の会議を通して、いま一度、この商店街の魅力は何なのか(あるいは、魅力はもう消え失せているのか)をあぶり出しました。決して「魅力がすでにない」わけではないことが、はっきりと分かりました。

では、今もって存在する魅力とは何であると感じられたか。

それは「人」でした。

東京資本の安価な衣料品や生活雑貨を求めるならば、郊外のショッピングセンターに行くのがよい。その一方で、この総曲輪通りには、高価だけれど大都市圏の有名店にもないような、マニア垂ぜんのアイテムを当たり前のようにそろえるショップが複数あるのです。
靴屋もそうです。輸入雑貨の店もそうでした。また、東京・新宿の伊勢丹でも望めないような、超高級ブランドのレアアイテムを独自のルートで買い付けているショップもありました。

そして、こうした店舗に共通しているのは「商品の語り部」がしっかりと店を守っている点でした。服のこと、靴のこと、時計のことを問えば、どこまでも語り尽くせるような店主がいます。これは、大型商業施設にはまず期待できない部分であるはずです。

ならば話は早い。総曲輪通りの「人」と「技術」に焦点を当てたショートムービーを制作して、YouTube にアップしましょう、と私は提案しました。

こうした動画制作による地域おこしというのは、すでに当たり前の手法ではありますが、それでも総曲輪通りには有効であると感じました。人をクローズアップし、商店主とクリエーターが一緒になって作品をつくり上げるところから、歯車が動き始めるという効果も見込めるからです。

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