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【コラム】

旗を掲げる! 地方企業の商機

「日経トレンディ」元編集長で商品ジャーナリストの北村森氏が、地方企業のヒット商品や、自治体の取り組みなどをご紹介します。
コラム2017.03.31

Vol.19 リアリティーのある高値
北村 森

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2017年4月号

週末は売り切れ状態

バスなのに豪華個室? そうです。関東バスと両備ホールディングスの共同運行によって、すでに2017 年1月からサービスを開始しています。

扉と壁によって下から上まで完全に仕切られた個室というのは、バス業界初とのこと。カーテンで区切ったり、一部が開いているようなパーティションの仕切りではなく、しっかりとした個室だと聞きました。

バスの名は『ドリームスリーパー東京大阪号』。東京の池袋から大阪のなんばを経て、門真車庫までを往復するという経路です。池袋発の場合、発車は22時50分。なんばに着くのは翌朝の6時40分。7時間50分という長丁場です。夜行長距離バスの中に個室がある……超贅沢なんだか、そうでもないんだか、ちょっと想像ができませんね。

利用料は、運賃と座席料金を合わせ、片道2万円(開業キャンペーン中は1万8000円)。これ、新幹線のグリーン車よりも高額です。夜行バスとして破格の設定であるのは間違いない。それにもかかわらず、2017年1月18日に運行をスタートさせて以来、金曜日はすでに数カ月先まで席がほぼ埋まっているらしいのです。

私も一般客として、実際に乗車してきました。ちょうど今は人の移動が活発になる時季ですから、皆さんに果たしてどのような中身だったのか、ご報告したいと思います。

個室の広さは1畳弱

池袋の長距離バス乗り場に、ドリームスリーパーがやって来ました。早速乗り込もうとすると、バスの外で迎え入れてくれる運転手さんから「ステップの3段目からは靴を脱いでお入りください」と告げられました。車内は土足厳禁なんですね。靴を脱ぐと、運転手さんが素早く靴をビニール袋に入れ、手渡してくれました。

車内に入ると席は本当に個室だけでした。中央に通路が設けられていて、その左右に個室がわずか11室。その他、車内の中央部にトイレがあり、中央の通路の突き当たり(バスの最後部)にはドレッサーを兼ねた洗面台を備えています。椅子も付いているので、女性客が化粧を整えることもできそう。

さあ、いよいよ個室です。予想通り、実面積はかなり小さいものでした。計測してみると左右幅が92cm、前後幅は170cm。1畳分よりわずかに小さいという感じです。この小空間が、床面から天井まで、壁と扉によって仕切られているわけです。

ここまで聞くと、相当狭いのではないかという印象を抱く方が多いかと思いますが、実際に個室で過ごしていると、意外に圧迫感はありませんでした。1畳弱の空間のほぼ幅いっぱいを占めるのは大型シート。法規上の問題があるらしくフルフラットにはできないものの、フットレストが水平になるのと、尻のあたりがうまくくぼんだ設計のため、思いの外くつろげました。動作は全て電動ボタンにより行えます。

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