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【コラム】

旗を掲げる! 地方企業の商機

「日経トレンディ」元編集長で商品ジャーナリストの北村森氏が、地方企業のヒット商品や、自治体の取り組みなどをご紹介します。
コラム2016.08.31

Vol.12 逆境のときこそ投資する
北村 森

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2016年9月号

家訓に忠実になる

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1950年代の広告

 

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ボトルは1本ずつ職人が吹きガラスにて製作

若鶴酒造は1862(文久2)年から日本酒造りに携わってきた蔵であります。

第2次世界大戦後のこと。戦後のコメ不足に見舞われる中、同社は蒸留酒造りに乗り出す決断をします。この時期、同じような考えに至った蔵は少なくないようです。コメ不足のために、日本酒の生産量が、最盛期の10分の1にまで落ち込んでおり、多くの酒造が蔵としての存続の危機であったといいます。

発酵に詳しい技師を迎え入れて研究を重ね、1952年、ウイスキーの製造免許を取得。早速、設備投資に踏み切りました。

ところが、翌53年、肝心の蒸留棟が火災に遭います。製造設備はほとんど焼け落ち、ウイスキーづくりのプロジェクトは、ゼロの状態に戻ってしまいました。

さあここで、経営陣はどのような判断を下したのか。

「逆境のときこそ、投資をする」。これは若鶴酒造の経営家の家訓だそうです。家訓に忠実であること、それしか頭になかったのでした。フランス製の最新式の蒸留器を思い切って導入し、ウイスキー造りに再び携わり始めました。

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