コラム2016.02.29
Vol.6 人気のマスクは1枚1000円
北村 森
2016年3月号

『ソフト・プリマ』(左)。リボンがワンポイントに。980円(税別) 今治産のタオル生地を使っている子ども用マスク『うさぎ【ノーズワイヤー入】』(右)。880円(同) マスクはいずれも、洗って繰り返し使える。岐阜市のエストが開発・製造・販売する商品
マスクといえば、安売り店で探せば100枚入りで1000円というような商品が多数見つかります。1枚当たりに換算すると、わずか10円。
しかし、今回お話しするマスクは、たった1枚で約1000円という商品です。廉売品のざっと100倍はする値段。3年前に発売し、これが今、多いときには1カ月で1万枚を出荷しているといいます。その値付けを考えれば、驚きのヒットです。
つくっているのは岐阜市の企業エストで、社員数は9名。もともとは寝具などの下請け生産に携わってきた企業です。そしてこの商品、富裕層が買うマスクというわけではありません。ターゲットは、ごく一般の女性や子どもなのです。
なぜ売れているか。まず何よりもデザインがかわいい。リボンをあしらったり、レースで編まれていたり……。また、子ども用のものは、うさぎ柄であったりします。さらに、品番によっては今治タオルの生地を使うなど、肌ざわりがとても優しく、着け心地が確かによい。私のような、いい歳をした中年男性向けには無地のオーガニックコットン製があります。