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【コラム】

旗を掲げる! 地方企業の商機

「日経トレンディ」元編集長で商品ジャーナリストの北村森氏が、地方企業のヒット商品や、自治体の取り組みなどをご紹介します。
コラム2021.01.29

Vol.65 顧客が1人でもいるならば
北村 森

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2021年2月号

 

 

想定外の問い合わせ

 

この2つの商品にどんな関係性があるのか。説明しますね。

 

2006年、フットマークが介護用の食事エプロンを発売してしばらく経ったころ。この商品がある新聞で紹介された途端に、問い合わせの電話が相次いだそうです。

 

家族などを介護する人からの問い合わせよりも、はるかに多かったのが、一般の消費者からの注文だったといいます。

 

「食事をよくこぼす夫に着けさせたい」「私自身が歯を磨く時に着けてみたい」。そんな電話でした。

 

フットマークの担当者にとって、これはまったくの想定外だったといいます。福祉の領域で使ってもらうために開発したエプロンに、それ以外の消費者からの注文が殺到するとは。

 

「もうびっくりしました。それと同時に、目からウロコという感覚でしたね」(担当者)

 

意外なところに思わぬニーズがある。介護されるご本人のために考えたエプロンが、それ以外の人からも求められる存在になるほどの特性を備えていたのかと。

 

さあ、ここからです。フットマークは一般の消費者の求めに応じて、介護用の食事エプロンをそのまま販売したのか。もちろんそうしてもいます。でも、それだけでは終わりませんでした。

 

すぐさま、同社は新商品の開発に取り掛かったのです。一般の消費者が身に着ける食事用エプロンであるなら、介護現場とはまた違ったデザインが必要になってきますね。外食先でもごく自然に着けられるとか、どんな服にもなじむとか、そういう視点での商品です。

 

そして発売したのが、右側の画像であるTable withでした。

 

 

 

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