コラム2018.11.30
Vol.39 今あるものを生かし切る
2018年12月号
返礼品の競争が過熱
ふるさと納税の返礼品競争が過熱している件が、問題化しています。
総務省は返礼品の調達価格が寄付額の3割以下で、かつ地場産品を活用するよう通知してきました。それでも、自治体の中には反応が鈍いところもあるようです。特産品などほとんどないから、ふるさと納税の寄付金競争に負けてしまう、と。
今回の話は、地方行政の話になることを、お許しください。
各地の足元にある宝物をどう生かすか、そのためにはどう動くべきか。それを考えてみたくて、このテーマを選びました。
取材に訪れたのは、高知県四万十市の西土佐です。合併前は西土佐村でした。高知空港から車で2時間以上かかる場所。四万十川が流れ、川に寄り添うように山並みが広がっています。
美しい景色がそこにある。とはいうものの、万人に分かりやすいような観光資源があるとまでは言えません。挙げるとするならば、きれいな満天の星くらいか。いや、この星空こそが真の宝物でしょう。
西土佐は、四万十市のふるさと納税返礼品として、この星空を提供しているのです。
それは、どういうことか。