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【コラム】

旗を掲げる! 地方企業の商機

「日経トレンディ」元編集長で商品ジャーナリストの北村森氏が、地方企業のヒット商品や、自治体の取り組みなどをご紹介します。
コラム2018.06.29

Vol.34 こんな時代なのだから
北村 森

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2018年7月号

起業する意義はいくつも

杉山氏がまず指摘するのは「大手企業は、パパたちにアプローチしたい。でも、その思いとは裏腹に、アプローチの手立てをあまり持っていない」という点です。

ママ向けのアプローチに関するノウハウであれば、大手企業はすでに構築できています。しかし、その一方で、パパ向けは遅れている。


放送作家生活20年の杉山氏は近年、個人の活動として「パパの子育て」をテーマに、自治体や両親学級などでの講演を続けたり、パパ向けイベントを催してきました。


つまり「私自身のストロングポイントと企業の求めるものが、実は合致していることに気付いた」のだそう。


杉山氏が続けてきた個人的活動が、実は企業のニーズにかなっていたということですね。


ここで気になるのは、なぜ杉山氏は、そんな活動に携わっていたのかという点。自身の経験から彼は言います。「男性が家事育児をしていると、どうも世間からの目に違和感を覚える。どうして『逆転夫婦』などと表現されるのか、という話です。
男性が主夫の役目を果たしてもいいはず、との思いを伝え、世間の目を和らげたかった」

活動を通し、より多くの人に思いを伝え続けるには、「ビジネスとして、しっかり成立することをせねば」と思い立ったそうです。お金にはならないけれどもパパにいいことをなす、というのではなくて、きちんと持続する形を取りたかった。先細りでは、元も子もないでしょうから。そのために起業は必然、ということになりますね。


杉山氏はこうも話します。


「個人でパパ向けの活動を続けてきたわけですが、実際、先細りに陥りそうな気配を感じ始めて、このままではいけない、と気付きました」


好きな人同士で、わずかなお金を持ち寄って活動すると、当然限界が出てきます。しかも、好きな人同士の間でしか活動しないから、決して広がりは出ない。


こうした問題を打破するための起業でしたが、それにより、メリットも生まれました。


冒頭で触れたイベントのように、いわゆる“社対社”の折衝、つまり大手企業との連携模索が容易になった。先ほどお話ししましたように、少なからぬ大手企業がパパへのアプローチに頭を悩ませている状況下において、パパ系イベントでの訴求法を得意とする企業との連携は、ありがたい話に違いありません。


連携相手が個人や任意団体の場合には、大手企業は二の足を踏みかねませんが、企業であれば連携へのハードルは下がります。

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