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【コラム】

旗を掲げる! 地方企業の商機

「日経トレンディ」元編集長で商品ジャーナリストの北村森氏が、地方企業のヒット商品や、自治体の取り組みなどをご紹介します。
コラム2018.03.30

Vol.31 「実は日本一」を生かす手立て

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2018年4月号

「あっ、栗だ」との声

先にもお話しした通り、『ぎゅ』は売り上げ好調だそうです。

「こんなちっぽけで、こんなに高い値段なのに」と小田喜氏。

食べた顧客が「あっ、栗だ」と声を上げるのが印象的だとも話します。栗の本来の味わいをよく知らない人にとっても、これこそが栗なんだと気付くという、興味深いエピソードに思えます。「稲作以前から食べられていたのが日本栗ですから、日本人にとっては記憶のどこかに刻み込まれている風味なのかもしれませんね」(小田喜氏)

茨城の栗が実は日本一の生産量を誇っているという事実が、今後どこまで浸透するのか。未知数なところも正直あります。

とはいえ、こうして“足元の宝物”を大事にして、その持ち味を伝えようという人々の奮闘が続く限り、そう悲観することもないのではないかと私は感じました。

あえて派手な見栄えを狙わず、栗の特性に寄り添い、実直な商品を作っていく。そうした取り組みこそが、結局のところ、より多くの人の心に響く近道なのかもしれない、とあらためて考えさせられた取材となりました。

地域産品を用いた地域おこしを目指す全ての人にとって、参考になる事例ともいえそうです。

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筆者プロフィール

北村 森 (きたむら もり)
1966年富山県生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。1992年、日経ホーム出版社に入社。記者時代よりホテルや家電、クルマなどの商品チェックを一貫して手掛ける。2005年『日経トレンディ』編集長就任。2008年に独立。テレビ・ラジオ番組出演や原稿執筆に携わる。サイバー大学客員教授(ITマーケティング論)。著書『途中下車』(河出書房新社)は2014年にNHK 総合テレビでドラマ化された。最新刊に『仕事ができる人は店での「所作」も美しい 一流とつき合うための41のヒント』(朝日新聞出版)。

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