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【メソッド】

梶原しげるのビジネスに効く!会話のヒント

文化放送のアナウンサーを経てフリーに転身。テレビやラジオ番組の司会として幅広く活躍してきた梶原氏が、ビジネスシーンに役立つ会話のヒントをお届けします。
メソッド2017.07.31

vol.23 周りが見えていないと大惨事に!?

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2017年8月号

あらゆるトラブルにつながる!?

仲良しクラブの危険性はビジネスに限らず、政治から日常生活のあらゆる場面で「危険水域」を越え、すでにさまざまなトラブルを引き起こしているらしいのです。

このところ、政治家の「失言」「暴言」が大きなニュースになっています。その一部について本連載でも触れたことがありますが、今回はさらに「やばいもの」をご紹介します。個人を特定しないよう心を配った(ホントか?)のは、特定の政治家を糾弾しようなど恐れ多いことは一切考えていないからです。「他山の石」として自らを戒めるための「教材」ぐらいにお読みいただければ何よりです。

某大臣は「大震災は東北の方でよかった。首都圏に近かったら甚大な被害が出た」と発言し、被災地だけではなく全国から反発の声が上がり、大臣辞任に追いやられました。

この方は以前にも「原発事故で自主避難した人の帰還は自己責任でやるべし」との発言で問題となりました。大臣になったぐらいですから「本来は優秀な人」かもしれないのに、どうしてこんな失言をしてしまったのか?

その答えが、仲良しクラブの危険性がもたらす「副作用」だった、と私は感じました。地元へ行けば、政治家先生の周りはいつも「支援者」という尊敬してくれる人や価値観を共有する人、利益を一にする人など、まさに仲良しクラブの面々が取り巻いています。

仲良しクラブの中では、先生がちょっと極端なことを言っても、いやむしろ極端な「本音めいた持論」を言えば言うほど、喝采を受ける可能性があります。

「建前ではなく、言いにくいことをぶっちゃける先生はカッコいい!」

新聞やテレビが伝える「生ぬるい正論」より、「ズバリな本音」のほうが耳に心地よいと感じる仲良しクラブの面々を前にした快感を引きずって、仲良しクラブ以外の人たちもいる場で同じように発言し、思わぬ事態を招いてしまい、「あちゃー……」という状態なのかもしれません。

「仲良しクラブの居心地のよさ」にドップリ漬かると、哀れな末路を迎えるものだ、との例はこれだけではありません。

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