TCG REVIEW logo

100年先も一番に
選ばれる会社へ、「決断」を。
【メソッド】

梶原しげるのビジネスに効く!会話のヒント

文化放送のアナウンサーを経てフリーに転身。テレビやラジオ番組の司会として幅広く活躍してきた梶原氏が、ビジネスシーンに役立つ会話のヒントをお届けします。
メソッド2017.03.31

vol.19 AIカウンセラーから学ぶ、 聞くスキル

shigeru_banner
2017年4月号

こんな受け答えをしていませんか?

「上手に聞けずに大失敗」は、次のような場面で発生していました。ひょっとして、皆さんにも思い当たることがあるかもしれません。

「得意分野の話題が出たときの会話」

取引先「ちょっと面白い本を見つけましてね」
あなた「どんな本です?」
取引先「○〇っていう、あの……」
あなた「(遮って)知ってます! 知ってます! △△が書いて、一時ベストセラーになった、××が真実かどうかっていう話。ノンフィクション賞を取る前に読みましたが、前作の□□が、またもう面白くて、最高ですよね(*^ ▽ ^*)」
取引先「……」

話を遮り、最後まで聞かずに横取りする。「話の聞けない人」は相手の怒りを買ってしまいます。

「苦手な話題が出たときの会話」

上司「上野の、ル・コルビュジエが設計した国立西洋美術館に行ったんだがね」
部下「上野、いいっすよねえ。アメ横とかで革ジャン買ったり……」

「無知をさらしたらマズイ」とばかりに話題を強引にすり替えると相手を不愉快にさせてしまいます。

聞き手にとって「不案内な世界」こそ、「へえ、どんな感じなんですか?」と素直に「伺う姿勢」を見せれば、上司は気分良く、世界遺産についてのうんちくを語る喜びを味わうことができた、というのに……。

「価値観を押し付ける会話」

部下「今度のクライアント、怖そうでちょっと不安です」
上司「会う前からそんな弱腰でどうする! 気合いを入れろ! 俺がお前くらいの頃にはなあ……」
部下「す、すいません……」

部下がせっかく不安を打ち明けているのに、自分の価値観を押し付けて会話をつぶしてしまっています。

「ひょっとして自分も、聞けていないかもしれないなあ」と思った方は、冒頭のAIカウンセリングの「受け答え」を参考にしてみてはいかがでしょうか?


筆者プロフィール
shigeru_profilepic

梶原 しげる (かじわら  しげる)

早稲田大学卒業後、文化放送に入社。20年のアナウンサー経験を経て、1992年からフリーとしてテレビ・ラジオ番組の司会を中心に活躍。49歳で東京成徳大学大学院心理学研究科に進学、心理学修士号取得。東京成徳大学経営学部講師(口頭表現トレーニング)、日本語検定審議委員も務める。

\著書案内/
不適切な日本語
梶原しげる著/新潮新書
821円(定価)

1 2 3
梶原しげるのビジネスに効く!会話のヒント一覧へメソッド一覧へ

関連記事Related article

TCG REVIEW logo