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梶原しげるのビジネスに効く!会話のヒント

文化放送のアナウンサーを経てフリーに転身。テレビやラジオ番組の司会として幅広く活躍してきた梶原氏が、ビジネスシーンに役立つ会話のヒントをお届けします。
2016.09.30

vol.13 会話のしくじりを、どう防ぐか?

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2016年10月号
 
 
2.ネタ探しに奔走、相手の話に集中できない
 
 
よく「会話はキャッチボール」だといわれます。少なくともドッジボールではありません。「どこを狙ったらポイントを挙げられるか?」と獲物を探し、隙あらばビシッと決めてやるという態度は、日常会話では嫌われるからです。
 
 
その点、投げては受けて、受けては投げる。キャッチボールの方が、ずっと会話のイメージに 近いともいえます。
 
 
とはいえ、会話とは「丁々発止」であるべきだという意味ではありません。プロの芸人さんでもあるまいし、常に丁々発止の会話をするなど無茶な話です。そんな会話はしくじって当然です。
 
 
「しくじらない会話」は、キャッチボールより、サッカーのゴールキーパーをイメージした方が分かりやすい気がします。
 
 
キーパーが実際にボールを蹴り込まれることは、そんなに多くありません(そういうチームもなくはありませんが)。キーパーはボールと選手たちの「今」と「現在地」を見続け、ボールがずっと遠くにあっても常に体と頭を動かしています。これこそが、しくじらない会話のイメージに近いのではないでしょうか。
 
 
 
 
3.会話が段取り通りに進まないとイライラしてしまう
 
 
雑談でない限り、打ち合わせや企画会議など「目的を持った会話」では、ある程度の「筋道」を想定して話を進めます。
 
 
「地図もない成り行き任せの止めどない会話」では時間の浪費、問題外です。とはいえ、良いアイデアは、ちょっとした脱線や想定外から生まれることがしばしばあります。
 
 
会話初心者や生真面目な人は、この「脱線」が苦手です。あらかじめ想定した路線をきっちり計算した通りの時間で進んでいかないと焦り始め、心ここにあらずとなり、会話が聞けなくなる人がいます。
 
 
こういう人は「打ち合わせ」や「企画会議」を単なる「確認の場」としか考えていない可能性があります。「用件1を10分で済ませ、次に用件2へ。30分後に用件3をこなし……」と律儀に予定通り進めます。これがクリエーティブな時間を生み出す上でマイナスに働くことを知りません。
 
 
打ち合わせや会議は「目的」ではなく、新しい商品やサービスを生み出すための「手段」だということを常に頭に置いておかないと、会話は「儀式」で終わってしまいます。
 
 
「目的地」だけでなく「目的地に至る途中の“今ここ”」を大事にした会話だからこそクリエーティブなアイデアが生まれ、会話を交わし合う人たちの中で化学反応が起こるのです。
 
 
 

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