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梶原しげるのビジネスに効く!会話のヒント

文化放送のアナウンサーを経てフリーに転身。テレビやラジオ番組の司会として幅広く活躍してきた梶原氏が、ビジネスシーンに役立つ会話のヒントをお届けします。
メソッド2016.07.29

vol.11 雑談力で部下の力を引き出そう

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観察を 雑談につなげてみよう

例えば、こんな感じです。

上司「おはよう!」

部下「あ! お、おはようございます!」(緊張で固まる部下)

上司「あれ? カバン膨らんでない? 家に仕事持ち帰ってるの? 奥さんに叱られるぞ。仕事きついか?」

部下「いえいえ、仕事の後、仲間とフットサルをやるためのウエアです。すみません」

上司「そうか! 終わった後の1杯はうまいんだろうなあ」

部下「ええ、仕事の励みになります!」

上司「例の、山手プロジェクト。順調らしいじゃない」

部下「ええ、今週末には良い知らせをお持ちできそうです」

上司「楽しみにしてるよ」

部下「ありがとうございます!」

上司からのあいさつ→目に付いたもの(ここではカバン)に触れる→応答がある→話が広がる→仕事に触れる→情報交換ができる→爽やかな1日が始まる、という具合いです。

「上司からのあいさつ」「上司の観察力」が、「部下のやる気」「部下の励み」につながる上手な雑談を生み出しています。朝のプラスアルファの雑談の効果は、思った以上にありそうですね。


社内で役立つ、こまめな雑談

雑談を、質問から始めるのも悪くありません。

仕事上の質問では、質問する側も答える側も、互いに無駄のない、正確で的を射た「論理的なやりとり」が求められたりします。ところが、雑談の中での質問は、目的が「互いの関係を良くすること」ですから、無駄があっても非論理的でも一向に構いません。

雑談のための質問は、聞かれた部下の側が答えたい、答えやすいものを「教えてくれる?」と尋ねると、ハズレが少ないものです。人の口を軽くするのは、「話したいことを尋ねられたとき」だからです。

例えば、SNSやゲームなどインターネットに詳しいのが自慢の若手社員。いわゆるネット弱者の上司が「今更だけど、インスタグラムって、始めるメリットあるかなあ?」なんて尋ねたら、若手社員が目を輝かせ、親身に相談に乗ってくれる可能性もあります。簡単に部下と「雑談モード」に入れそうですね。

上司「SNSを始めるメリットって、なんかあるの?」

部下「個人としてだけでなく、会社としても、ターゲティング機能を使った広告効果を狙えると思います」

上司「うちみたいな、小規模な造園会社で?」

部下「小規模ならなおさらです! 例えば、こっちのスマホ画面、見ていただけますか?」

上司「君、スマホいくつ持ってるの!?」

部下「へへへ(笑)」

部下との垣根を取り払えればよい。その程度に考えて仕掛けた雑談が、思いもよらず仕事に結び付くなんてこともありそうです。雑談は、やってみるものです。

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