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【メソッド】

梶原しげるのビジネスに効く!会話のヒント

文化放送のアナウンサーを経てフリーに転身。テレビやラジオ番組の司会として幅広く活躍してきた梶原氏が、ビジネスシーンに役立つ会話のヒントをお届けします。
メソッド2016.03.31

vol.7 若者世代にどう接していますか?
梶原しげる

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2016年4月号

 
40代半ばで大学院へ進学 
 
仕事とはまるで異なる分野での若者交流の場としてもう1つお勧めなのが「学校」です。

これは私の拙い体験。40代半ばの大学院受験です。きっかけは当時、司会をしていたラジオ番組のコメンテーターを務める経済評論家の一言でした。

「梶原くんは、アナウンサーとしてはそこそこ優秀かもしれないが、それじゃあ単なるしゃべりの器用な人にすぎない。確たる専門性を持てば、僕みたいに説得力を持つ存在になれるかもしれないのになあ、なーんちゃって」

元銀行員のその方は冗談めかしながら「言いにくい本音」をズバリ助言してくれたのです。一瞬ムカつきましたが、すぐに「その通りだ」と思いました。

自分の専門性、すなわち「お前は何者だ?」との根源的な問いが、私に迫ってきました。

そして、まるで思春期のように「俺って何?」と悩まされていたある日、「悩むのは頭の使い方が悪いからだ!」と書かれた書籍に出合いました。
「悩むのは性格が弱いからではなく、頭の使い方!」
この言葉に救われました。

「頭の使い方さえ学べば、ダメな自分を変えられるかもしれない!」
著者は日本カウンセリング界の重鎮、國分康孝教授でした。私は先生が教鞭をとる大学院の受験を決意。1年間予備校に通い、入学を果たしたのが人生の転機となりました。

教室で机を並べるのは私の子どもと同じくらいの年齢の若者です。國分先生から直接論文指導を受けるには、成績上位であることが必須条件ですから、ライバルでもありました。

彼ら・彼女らは、私が社会人であるかどうかなどに関心はありません。ゼミでは対面カウンセリングや集団プレゼンの実演を行い、院生同士が激しく批評し合います。

職業柄、しゃべりに変な自信があった私でしたが、「押し付けがましい」「威圧的」「傾聴ができていない」などと、若い仲間から容赦なく指摘されたことが大きな財産になりました。

「今時の若者は……」。そんな軽率な思い込みは軽く吹き飛びました。おかげで、理論や技法以上に大きなものを学ぶことができた気がします。
 

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