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【メソッド】

梶原しげるのビジネスに効く!会話のヒント

文化放送のアナウンサーを経てフリーに転身。テレビやラジオ番組の司会として幅広く活躍してきた梶原氏が、ビジネスシーンに役立つ会話のヒントをお届けします。
メソッド2016.03.31

vol.7 若者世代にどう接していますか?
梶原しげる

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2016年4月号

 世代間の違いに戸惑う
 
 
「育てる」第一歩は「理解する」ことから始まります。理解不能な若い世代を育てるとなれば、戸惑っても不思議ではありません。

20代前半から30代前半の若い世代を表す「さとり世代」という言葉があります。

「名付け親」の博報堂ブランドデザイン若者研究所のリーダー・原田曜平さんから、直接その由来を伺ったことがあります。

「生まれた時から少子化ですから競争する必要がない。不景気な時代しか経験していない彼らは高望みをしない。SNS育ちだから『叩かれないこと』に心を砕く。それ故、空気を読み周囲に気を配る技に長けている。(表立っては)不満を言わない。反抗もしない。この、まるで悟りを開いたかのような集団を『さとり世代』と命名しました」

「最近の若い部下たちに強い違和感を覚える」との経営者の言葉にもうなずける気がします。今の若者たちはかつてないほど「分かりにくい人たち」だとも言えます。

一方で、こう豪語する社長がいます。
「若い連中を飲みにも連れて行くし、バーベキューやゴルフへ引っ張り出して一緒にワイワイやっている。連中の考えていることぐらい理解できるし、指導も行き届いていますよ!」

実に頼もしいお言葉です。「触れ合う機会を増やし指導に生かす」を否定する気はさらさらありません。

しかし、意地悪な見方をすれば、さとり世代で空気を読む名人の若者たちのこと。「仕事上の偉い人」を前に「好ましい部下」を巧みに演じるぐらいは朝飯前、なんてことはないでしょうか?

ゴルフ場での「一打」に「ナイスショット!」なんて声を上げながら、腹の中で「業務命令で付き合わされたのだからここは辛抱……」と「悟っている」だけだったらガックリです。

「経営者だ」「偉い人だ」という立場で接する限り、若い世代の本音や真実は見えてこないかもしれません。では、後進の若い世代を育てる前提となるキーワードである「若者理解」を深めるためには、どんな方法があるのでしょうか?

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部下はいやいや参加しているだけかも知れない・・・?

 


趣味の世界で若い人と交流
 
1つ参考になるのが、漫画が原作の大ヒット映画『釣りバカ日誌』のハマちゃんとスーさんの関係です。

ハマちゃんは建設会社に勤務する釣り好きの若い平社員。釣りの超初心者、年配のスーさんが、自分が勤務する会社の社長だということなどまるで知りませんでした。「年上の経営者と、若い部下」という関係性を知らぬ間に、2人の交流が進みます。

真実が判明した後も、2人は以前と変わらぬ釣り仲間としての友情を育んでいくところがこの作品の見所です。「身分や立場、役割を超えた、普通にはあり得ないメルヘン」に私たちは魅了されるのです。

若い世代を理解するため、スーさんのように趣味の仲間を持つのも、異世代理解を促す1つのアイデアです。
 

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