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【コラム】

梶原しげるのビジネスに効く!会話のヒント

文化放送のアナウンサーを経てフリーに転身。テレビやラジオ番組の司会として幅広く活躍してきた梶原氏が、ビジネスシーンに役立つ会話のヒントをお届けします。
コラム2019.01.31

Vol.41 「大丈夫です」の功罪

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2019年2月号

ポイントカードを巡る「儀式」

コンビニで、コーヒーショップで、ドラッグストアで。支払いするレジの前で店員さんがたいてい尋ねるのが「ポイントカードお持ちですか」です。先日、人里離れた仏具店でお線香を購入した時にも「ポイントカードお持ちですか?」と聞かれ、「ここでも……」とある種の感慨にふけったものです。

厳粛な仏具店はともかく、支払いに行列のできるお店などでは一連の「儀式」がスピーディーかつテンポ良く行われています。店員さんの「ポイントカードお持ちですか」に、多くの客は財布から素早くカードを抜き取り提示します。

運悪く、その店、ないしはその店の系列店カードを所持しない客は「大丈夫です」と答えます。すると店員さんは「失礼しました」と謝罪の言葉を添えてちょっと恐縮してみせるのです。一連の流れは、儀式のように整然と執り行われ、目で見る限り違和感もありません。

ところが、このやりとりを文字にして読んでみると「なんだかなあ」と不思議な感じがします。

(1)店員「ポイントカードはお持ちでしょうか?」
(2)客「大丈夫です」
(3)店員「失礼しました」

最初の質問は実に真っ当ですが、それに対するアンサーとしての「大丈夫です」が意味するものはなんでしょうか?

2018年に10年ぶりの改定となった『広辞苑第七版』によると、大丈夫は①立派な男子、②しっかりしているさま。ごく堅固なさま。あぶなげのないさま、③間違いなく、たしかに:例文「~勘定は払うよ」(一部省略)と説明しています。

日本一有名な、しかも最新版の辞書である広辞苑の3つの語釈に、客の答え(2)「大丈夫です」に当てはまりそうなものは見当たりません。①は違う、②「しっかりしてます」も変だし、③カードを持っていないのに「たしかに」では意味が通らない……。

(2)の「真意」がつかめないというのに、(3)で店員さんは「失礼しました」とわびている……。このやりとりは、一体なんなのだろうか?謎は深まるばかりです。

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